元予備校講師なぼむしの大人が使える大学受験問題集シリーズ。今回は、基礎英文法問題精講を取り上げます。
タイトルには「基礎」と付いていますが、初心者、特に最初の1冊としては、絶対にお勧めしない本です。
表紙を一度見れば、「ああ、あの本か!」と皆がうなずく名著なのですが、使い方、そして取り組む時期を間違えると、文法嫌いの出来上がり。
今日は、この本を最大限に生かす、効果的な取り組み方についてご紹介したいと思います。
この本の特徴
問題形式だけ見ると、記号選択、カッコ埋めの問題がほとんどなので、気軽に解きすすめていけます。
膨大な出題数(例題・練習問題合わせて1500問前後ある)
そして、それらの問題に対し、約400の重要文法・語法項目が解説されています。
高校の英語の授業で触れられる重要な文法・語法・構文や成句については全て網羅されているといっても過言ではありません。
「頭を使って考える」良問ぞろい
以前触れましたが、問題集によっては、ほとんど考えることなく解けてしまう出題形式のものもあります。
例えば、文法書Forestでは、各文法説明の直後にその知識を使って解く問題があって、「それはさすがに今聞いたばかりだよ・・・」と思ってしまうこともあります。(Forestは文法書としての分かりやすさが秀逸なので、私はその辺りは全く気にしていません。)
この問題集に限っては、そういうことは全くありません。
問題→解説の順になっていることもあり、まずは自分の頭で考えるというステップを踏むことができます。
大問ごとの出題範囲も適度に広く設定されているので、例えば関係詞という章ならば、その中で、どの項目を使うのだろう?と考えながら解いていけます。
そして、問題ありき(出題順)の文法解説なので、説明はランダムにでてきます。
このランダムというところがポイント。
例えば、関係詞の章だからといって、関係詞の説明が一から載っているわけではありません。いくらひとつひとつの説明が詳しくても、これだけで文法の体系的ルールを理解することはできないのです。
それが初心者、または1冊目としてお勧めしない最大の理由です。
いつ挑戦すべきか
では、いつ取り組むべきか。
まずはやさしい文法書を読んだり、基礎的な問題集を1冊は解き、文法の全体像を(完璧でなくとも)しっかり見ておきましょう。つまり、骨組み(大枠)を理解しておくということです。
その上でこの問題集を開きます。「こんな項目もあるんだ」、「あれと合わせて覚えておこう」と気付きながら解いていきましょう。
先ほど組み立てた骨組みに、肉をつけていく作業です。
それこそが、文法事項を補強していくということ。
何が大事なことなのかもわからないまま、同じテンションで1000問以上解いても、骨組みのしっかりしていないグラグラの文法知識が、まばらについていくだけです。
そのようなやり方で、たとえこの問題集だけを何回も「回そう」が、思うような効果は望めません。
まずは、本当の基礎をおさえてから。それがポイントです。
この本もおすすめ
以前紹介しましたが、最初の1冊にはこちらをお勧めします。