英検1級二次試験を初めて受けた時の緊張感は今でも忘れることが出来ません。初めて二次試験を受ける方は特に、勝手がわからず緊張されると思いますので、試験当日の流れについて事前に把握し、シュミレーションをしておくとよいと思います。
当日の試験の流れですが、まず会場について受付をすませたら、教室で必要事項を記入します。試験時間が近づくと数人ずつ呼ばれ、面接官のいる教室の前で座って待ちます。
面接を受ける教室には、タイムキーパーが1名、日本人面接官1名、外国人面接官がいます。ノックをして教室に入ると、面接官が簡単に挨拶をして、席に着くよう指示されます。次に、自己紹介をするよう求められますが、タイムキーパーが1分間たつと合図をするので出来るだけ時間を余らせないよう、自己紹介スピーチを用意しておく必要があります。ここで”名前は〜です。会社員です。趣味は読書です。”などと、あっさり自己紹介を終わらせてしまうと、残りの40秒程、面接官に好きに質問されてしまいます。想定外の質問をされて慌てないためにも、しっかりとした自己紹介をしましょう。面接官からの質問は、”どこから来ましたか?” ”何で来ましたか?” ”英検の試験がなければ、今日は何をしていたと思いますか?” というようなことを聞かれるようです。
自己紹介が終わると、面接の質問が書かれた色紙を5枚渡されます。紙は裏返しで渡されるため、始めの合図までは質問を見ることは出来ません。始めの合図を聞いたら紙をめくり、1分間で5つのトピックから1つ選びスピーチ構成を練ります。家での予行演習と比べ、この1分間は想像以上に短いので、5つの質問の意味を把握するので精一杯で、スピーチの内容まで考える時間はないと覚悟しておいたほうがいいと思います。
1分間の合図がなると同時にスピーチの開始です。2分間、時間を確認するすべもなく終了前の合図もありませんので、自分がだいたい2分間でどれくらいの内容を言えるのかを練習の時に把握しておく必要があります。緊張のため、時間の感覚は当てになりませんので、だいたいイントロで3文、ボディ2つでそれぞれ何文ずつ・・と、センテンス数を決めておくのも一つの方法です。
2分間で終了のアラームが鳴りますが、”Please go ahead.” と、言われて少しは追加をさせてくれるようです。時間をオーバーしてしまったら、ここで結論を述べるようにしましょう。
次にディスカッションです。二人の試験官からテーマに沿った質問があります。もし質問が聞き取れなかった場合は、もう一度質問を繰り返してくれるようお願いしましょう。質問内容を聞き返すと、前とは違った表現で言い直してくれることもあります。”多分こう言ったんだろう”と自己判断して見当違いな回答をすると、後の質疑応答に悪影響が出ます。また、沈黙が一番よくありません。採点のしようがないからです。
質疑応答の”Interaction”は30点が割り当てられており、スピーチで多少失敗しても挽回のチャンスがあります。緊張のために普段は難なく言える単語が思い出させないこともありますので、普段から易しい言葉に言いかえて、自分の言いたいことを伝える練習をすることが大事です。
英検1級二次試験の合格率は50%〜60%と高く、試験官も、出来るだけ受験者を落とそうと思って質問をしているわけではないと思います。緊張するとは思いますが、うまくいっている場面だけを思い浮かべて、闇雲に不安に陥らないようにしましょう。