目の前に2冊の英文法問題集があります。
1冊は、とても薄いもの。中をめくってみると、解けそうな問題が結構たくさん目につきます。
そしてもう1冊は、さっきのものより分厚いもの。中身も、なかなか手ごわい問題が多そうです。
皆さんはどちらを選びますか?
”薄くてカンタン”を過小評価しない
いかがでしょうか?
後者の方を選ばれた方が意外と多いのではと想像しています。
「どうせやるならガッツリと」
「全て網羅されていたほうが安心」
「基礎はある程度分かっていると思うし、その先を身につけたいから・・・」
今までの記事でも、「まずは薄くて簡単な問題集を1冊仕上げてみましょう」と何度か書かせていただいています。それでも、「薄くてカンタン」=「得るものが少なそう」と、手をつけない方も多くいらっしゃるようです。
もちろん、問題が100%全て解けるような問題集ならば、レベルにあっていないとハッキリ言えます。
「薄いから」「簡単そうだから」と敬遠してきた問題集。本当に全部解くことができますか?
「薄くてカンタン」のその先が大事
その「薄くてカンタン」を解いてみたら、70%正解できていた。いや、90%も解けている。それは人によってそれぞれです。ここでの点数を競っても意味はありません。
まずは、そこで不正解だった所をカンペキにしましょう。文法書や参考書でしっかりと内容を理解します。
これでようやく土台の完成です。
実はここから先が最も大事な部分になります。
それで土台を完成させたら、次は”実地”に出てみましょう。実際に文章を読んでみるのです。
その際にも、いきなりレベルの高すぎるものを選ばないこと。
これはちょっと簡単すぎる、短すぎると思うような素材が一番適しています。
読んでみると、習った通りの文法事項が出てきています。「あ!have + been + ~ingだ」「おお!enjoyのあとはやはり ~ingになっている」・・・いろいろな発見があることと思います。
ですが、そのような「カンタンすぎる」と思う素材の中にも、「え?これは見たことがないぞ」と思うような単語の用法や文法事項が必ずいくつかは出てくるはずです。
それを見逃さないことが大切!
そこでまた、文法書や参考書に立ち返り、その内容をしっかりと確認します。
以下はできる限り多くの文章に触れながら、「わからないことに出会う」機会をどんどん増やしていく。
以上が、学習の手順になります。
「分からないことを発見できる」力が大事
分厚い問題集には、分からないことがゴロゴロと出てきています。
それを回数をこなすことで強引に理解しようとしても、実際のところ無理があるのです。
分からないことにゆっくりと出会い、一つ一つの疑問を大切にする。
丹念に調べる。
何が分からないのかを見つける力は、この先長く続く英語学習の中で、必ず活きてくるスキルです。
分厚い問題集で取りこぼしの補強をするのは、もっと知識がついてからで構いません。
春は何かを始めるのに最適な季節。
もう一度、基本に立ち返って、学習をスタートさせてみませんか?
※ここに紹介した問題集は「薄くてカンタン」の一例です。
「カンタン」かどうかについては個人差が大きいですので、一度書店にてご確認いただくことを強くお勧めします。