精読シリーズでは、精読で文法事項を確認する重要性について書かせていただきました。私自身、生きた文章の中で文法に出会うのが最も理想的だと考えますが、反面、それですべての文法事項を身につけようとするものは現実的ではないとも思っています。
自分の経験を振り返ってみると、実際に力がぐんと伸びたと感じた予備校非常勤講師時代には、ものすごい数の文法問題集に取り組んできました。
精読で文法事項に出会うこと、問題集で文法知識の穴をつぶしていくこと。この二つを並行して取り組むことで、スパイラル式に力が付いていったように思います。精読の際に、「あ!こないだ問題集で見た事柄だ」とうれしい発見があったり、また逆のパターンもあり。どちらかに偏るのではなく、同時進行でやっていったことが大きいと思います。
そこで今回は、数多く問題集を解いてきた経験を活かして、問題集の選び方について書きたいと思います。
文法問題集と一口に言っても、その中身は千差万別です。
中学用、高校用、もしくは高校の中でも初級・中級・上級など、相対的なレベル分けはしてあると思うのですが、自分に合うレベルの問題集がどのようなものなのか、なかなかパッと判断するのは難しいと思います。
今回は、問題集の「出題形式」に着目して、レベル別に分類し紹介することにします。
出題形式を確認することで、ここで紹介する以外の問題集を選ぶ際にも、参考にしていただけたらうれしいです。
(以下、番号順に初級~上級の順で書いていきます。)
大人になってからのやり直し英語など、基礎から確認したい方に
1.問題が分野別に収録されているもの
初級のもの。同じ分野別でもいきなりロイヤル英文法問題集など、ものすごく細かいところまで突いてくるものは、この段階では不適切。
最初の確認の段階では、薄ければ薄いほどよい。
(開始レベルによって、中学用、高校用と選ぶとよいと思います)
基礎は一通り押さえてある方、抜けている部分を確認していきたい方に
分野別の問題集を終えたら、次は問題が分野別になっていないものを選んでください。
2.四択
TOEICのリーディングで嫌というほどお目にかかる形式です。
センター試験過去問集は、過去10年分など収録問題のボリュームの割には価格がお手頃なのでお勧めです。(読解部分でも利用することができます。使い方に関しては機会を改めて書きたいと思います)
(例)センター試験 第2問、大学受験用問題集、TOEIC用問題集 (PART5)
【おすすめ】
全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)
↑★解説の分かりやすさが素晴らしいです。
3.四択で不適当なものを選ぶもの
4つの選択肢すべての知識がないと正解を選べないので、普通の四択より難易度が上がります。
(例)旧TOEFL形式
読むための文法から、書くための文法へ
4.整序英作文
与えられた語句を並び替えて、英作文をする問題です。複数の文法知識・語句の使い方を組み合わせて解きます。自分で英作文をする前のステップとして利用できます。(個人的にはもっともやりがいのある問題だと思っています)
(例)センター試験 第2問
↑★整序英作文用の問題集もありますが、センター試験の整序英作文が、文法事項の盛り込まれ方が絶妙でイチオシです
5. 和文英訳 (自由英作文除く)
自分で文法知識(+語句の使い方)を総動員して、文を組み立てる練習です。
問題集は、複数の解答例が載っているものが望ましいです。
(例)大学入試用
【おすすめ】
毎年出る頻出英作文
↑★各問題に複数の解答例が載っており、自分で答え合わせがしやすいです。