英検1級の単語。
その問題に初めて目を通した時、ものすごく大きな衝撃を受けました。問題となっている単語どころか、選択肢に挙げられている単語も何一つわからない・・・。
無対策で受験した、私の初受験時の語彙パートの点数は25点中8点と惨憺たるものでした。単語の対策なしに合格はあり得ない。そう気付いて以来、自分にあった単語学習法を試行錯誤し、合格時には19点まで点数を上げることができました。
今回は、その方法をご紹介したいと思います。
信頼できる単語本と出会う
私自身、英検1級学習を始めるまで、単語本、単語集というものを使ったことがありませんでした。アルファベット順や使われる頻度、分野別・・・本を書く人側の都合で並べられた単語を、その順番に従って覚えていく・・・それが自分の性格に合わなかったのが一因です。また、それまでの学習で、語彙は出てきた文章の中で覚えるというスタイルで来ていたので、「単語本など不要」という先入観があったのも事実です。
単語部分の成績の悪さに打ちひしがれて、ふと開いたのが、いわゆるプラ単(英検プラス単熟語1級)でした。(現在は販売終了。後継として、英検 文で覚える単熟語 1級が出ています。)
何気なく、自分の受験してきた問題と照らし合わせてみると、25問中16問もプラ単の単語が出題されているのです。(2006年度第1回、2回ともに16問、第3回に12問出題)
これは利用しない手はない。さっそくこの本を使って学習をすることに決めました。
リストとしての索引活用
私は単語本を覚えるべき単語のリストとして使用しました。単語本自体に書いてある例文は一切使っていません。極端な話、どんな語が試験に出ているか分かればよいので、巻末に載っている索引だけで十分だったのです。
まず最初に、索引ページを読んで、知っている単語に印をつけました。
対策を開始した時点で、私が知っていた語数は1672語中144語。それが、翌月もう一度索引部分を読みこんでみると、210語に増えていたのです。その間にやっていたことは、読解のみ(英検に出そうな分野、難易度の記事などを読んでいました)。 それでも、知っている量が増えていたのです。そこから先は、チェックが楽しくて、月に1度ほどのペースで索引を読んでいきました。
索引をチェックする作業の中で、覚えなくてはならない単語が無意識に頭の中に残る(その時点では意味は覚えていない)→読解をしたときに、「あ、これは本に載っていた単語では!?」と気付く→しっかり調べて意識して覚えようとする。
後から振り返ってみると、この流れがうまくいった要因だと思います。
単語本にエピソードを書きこむ ~記憶のためのラベル付け~
索引のチェックを始めて、覚えた単語がある程度増えた後、今度は単語本本体を読む作業を始めました。それも、単語本自体の例文などを読むのではなく、見たことがある単語を探す作業でした。
そして、単語本本体に、以下のような書き込みをしました。
どの場面でこの単語に出会ったか(写真左・右)、似た綴りで注意すべき単語(写真・中)などを書き込んでいます。言いかえれば、自分の中で単語を思い出すきっかけとなるエピソードのようなものです。わざわざそれを書きこむ必要はない(単語を見た時点でそのエピソードが思い出せている=意味が分かっている)のかもしれませんが、その書き込みが増えていくこと自体も快感になり、読みこみ作業も地道に続けることができました。
私はこのエピソードを書く作業のことを、単語へのラベル付けと呼んでいます。一つ一つの単語に、意味を思い出すきっかけとなるラベルを付けていく。そうすることで、定着率がぐんと上がります。
一つ一つにそんなめんどくさいことを・・・。そう思う方もいらっしゃるかも知れません。私の場合は、このラベル付けの作業によって、一生ものの単語力を得られたと思っています。
(一次試験合格から3年後。試しに、2010年1月の1級試験問題を解いた時には、20問以上正解することができました。)
まとめ
・「単語本の索引を利用したリストチェック」と「読解」を交互に行う。両方を並行して行っていくことで、「これは覚えるべき語だ」という感覚が養われる。リストチェックで覚えた語が増えていくこと自体も励みになる。
・単語へのラベル付け(エピソードで覚える)=どの場面で出てきた語なのか、出会ったエピソードごと覚える。一見面倒な作業のように思えるが、定着率が格段に上がる。
どの単語本、単語集がよいかは、個人差があると思います。エミコフさんのエントリに詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。
単語本の王道と呼ばれるのは、以下の2冊です。
[…] ・英単語リストのチェック (単語リストという考え方についてはこちらをご覧ください ) […]
[…] 私の使い方 私は英検1級学習時にこのサイトを利用していました。 語彙の増やし方に関しては以前の記事でも書きましたが、単語集をリストとして使用し、あとは実際にそれらの単語に出会って覚えるようにしていました。 単語集単体で覚えるのではなく、別の箇所で出会って、「ああ!見つけた!!」という喜びとともに単語を覚えることが重要です。 もちろん、英字記事の中で出会うのが理想ではありますが、問題集、ときにはこのようなクイズ形式で楽しく出会うのもよい気分転換になります。 […]
[…] アナログなチェックの補完として 以前、英検1級の単語の覚え方について書いたことがあります。(「リストとしての索引活用」の部分をご覧ください) […]
[…] 単語との出会い方に限って見てみるとこうなります。 「文脈で覚える」=実際の文章の中で”生”のものに出会う。 「単語本で覚える」=単語本だけでなく、問題集、クイズ形式なども含め、”人工的”に出会う。 英検の語彙対策を始めるまでは、文脈で覚える=”生”のものに出会うのが唯一、最良の方法と考えていた私でしたが、学習を進めるうちにその考え方も変わっていきました。 最初に覚えるべき単語がどのような単語なのかを単語本で確認(リストとして活用)、それらの単語に実際の場面で出会って覚えていくという”併用方式”へと移行しました。 (詳細は、以前の記事”英検1級 単語対策 その2”をご覧ください) […]
[…] 英検1級受験時に”プラ単”を使って対策をしていたのと同様に、覚えるべき単語のリストとして使います。 […]