スピーチ練習や音読の練習をする時お手本にする音声などがあると思います。
音声とスクリプトが揃っているものを音読する時に、スピーカーを真似しながら、スピードやアクセント、リズムなどを意識することは効果的な練習の一つですよね。
自分で書いたスピーチ原稿ではお手本となる音声はありませんが、「◯◯さんのようになりたい」とイメージすることはできます。
やはりそのような「なりたい自分」をイメージすること、お手本にしたい人を見つけることはとても大切なポイントではないでしょうか。
先日ソニーの創業者盛田昭夫氏のスピーチ音源と映像、スクリプトを数点まとめた書籍が発売されたのでさっそく聞いてみました。今日はその書籍をご紹介したいと思います。
こちらの書籍にはCDとDVDが一枚ずつ付属しています。
CDにはソニーアメリカ創設20周年記念スピーチと英国で名誉大英帝国勲章を授与された時のスピーチが、DVDにはCDと同じソニーアメリカでのスピーチと、英国での公園前のインタビュー映像が収められています。
スピーチ原稿は音声があるもの二本と、イェール大学でのスピーチ原稿が掲載されています。
CDのトラックに合わせて見開きで左側に英文、右側に日本語訳があります。重要な単語もピックアップされています。
しかしこれはあくまで「原稿」です。書籍の最後の方に関係者の座談会の内容があるのですが、その中で話題になっていた「スピーチは原稿通りに読まれないことが多かった」という通り、ところどころ原稿とは違う文になっていたりします。
しかしそれはただ原稿を読んでいるのではなく、自分の言葉として発信しているからなんですよね。
英語としてはとてもネイティブスピーカーのような流暢さはありません。スピードはゆっくりですが、かえって聞き取りづらく感じる方もいらっしゃるかと思います。
とくに英国でのスピーチの方はかなりゆっくりなのでちょっと聞き取りづらかったです。
そういう意味ではスクリプトも音声も揃っていてもリスニング学習の素材にはならないかもしれません。
もっと「上手な英語」を話す方はたくさんいます。
しかし、自分の思いを伝えようとする姿勢と英語の流暢さは必ずしも比例するわけではないですよね。
英語で発信している自分をイメージするということに関しては、実際に発信している方のスピーチを聞くことはとても参考になります。
今は色々なところで無料で視聴できるスピーチがたくさんあります。参考になる人、目標にしたい人を見つけることもスピーチ上達の秘訣の一つではないかと思います。
せっかくなので記憶に新しいIOC総会での高円宮妃久子さまのスピーチも。
[youtube http://www.youtube.com/watch?v=qJigaI3BJhQ?rel=0&w=420&h=315%5D
内容だけでなく、話し方、呼吸の取り方、目線の送り方などが本当に素晴らしかったです。
堂々としているけれども変に力が入ったりしていないところなど、お手本にしたいと思う点がたくさんありました。
このように動画を視聴できると音声だけでは分からないこともしっかり感じ取ることができるのでいいですね。
私は高校時代に生まれて初めて読んだ洋書がこちらの本の英語版でした。
これは和書ですが、よく見ると訳者の名前が書いてあります。ここからも分かるように、実際は英語版が先に出されてこちらの和書はその翻訳版です。ちょっとおかしな感じもしますが、盛田さんならではだと当時思いました。
廃版になっていたのが復刻したのでご紹介しておきます。
英語版は英検2〜準1級なら読める比較的平易な英語ですし、内容も日本のことなので読みやすいので、ぜひKindle版でも良いので復刻してほしいと個人的に思っています。