Archive of ‘英語学習本’ category

【ブックレビュー】 17歳のための世界と日本の見方

“17歳のための” とありますが、大人こそ是非知っておきたい世界史と日本史がまとめてわかる良書です。英語の本や記事を読む時、歴史背景や宗教の基礎知識がないために苦労されたことがあるのではないでしょうか。いつか世界史をやり直さねば・・と思ってはいても、高校の教科書や参考書を読み直したり、歴史書を読むのは大変ですよね。17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義は、大学生を対象とした、「人間と文化」という授業から書き起こされたもので、宗教を軸に、世界と日本のことが話し言葉でわかりやすくまとめられた本です。

 

歴史や宗教の基礎知識があると、英文記事がずいぶん読みやすくなります。私は英検1級1次試験でイスラエルのシオニズム運動のことが出題された時、ちょうどユダヤ教に関する本を読んでいた頃だったので、トピックや英文自体の難しさに圧倒されることなく、落ち着いて内容把握が出来た経験があり、日頃から多種多様な記事に触れ、基礎知識を仕入れることが大事だと感じました。試験だけではなく、日頃新聞や本を読む上でも、理解を深める助けになります。

 

私達が中学・高校で学んだ歴史は、世界史・日本史に科目が分かれていたうえ、各地域・年代ごとに分断され、なかなか全体像がつかみにくいものでした。この本では、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の成り立ち、関係性を歴史の流れとともに学ぶことができ、これまで断片的だった知識が繋がり、歴史をストーリーとして理解することができます。また、ユダヤ教のなかからどのようにしてキリスト教が生まれ、その後各国の指導者とともに各宗派の興亡があり、どのようにして現代につながっていったのか、も興味深い話でした。

 

世界史だけでなく、日本の成り立ちについても詳しく触れられています。古事記・日本書紀に記されている日本のなりたちや、仏教と神道が同時に受け入れられてきた背景、和歌などの日本文化の由来などについての記述を読むことで、これまで曖昧だった知識がすっきり整理されました。外国人に日本の文化を説明する時に役に立つ知識だと思います。

 

300ページちょっとの口語で書かれた本でとても読みやすいのでオススメです。きっと今後の英語記事読解に役立つことと思います。

 

 

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【英検2次試験に勝つための書籍】知識と教養の英会話 

前回はまずは日本語でも良いので背景知識を整理するための書籍を紹介しました。今回はこの書籍自体には英検対策とは謳われていませんが、英検2次試験対策に十分使える書籍をご紹介します。

知識と教養の英会話

内容

これはDHC出版の書籍です。DHCと聞くとつい化粧品や健康食品が浮かびますが、元々は大学翻訳センターという会社でDHCはその略なんですね。翻訳講座や語学関連の書籍なども取り扱っています。

この本は政治経済、自然科学、文化など17のジャンルから40トピックを取り上げています。
その様々なトピックについてA氏とB氏が会話をするという設定です。

各トピックにはMr.A (from the UK)とかMr.B (from Japan)といった人物設定や、二人がどのような場所でこの会話をしているかなどという説明が書かれており、それから会話が始まります。アメリカ、イギリスだけではなく、たまにオーストラリアやカナダの方も出てきます。もちろん会話の音声CDも付属しています。

スクリプトとボキャブラリーのチェック

会話は見開きで左側に英文、右側に日本語訳が付けられており、会話内に出てくるボキャブラリーも文章の横にリスト化されています。
これもテーマに関連する専門的なものと一般的なものと分けられているので後からざっと見なおす時も分かりやすいです。

GLOSSARYとして、会話の最後には各テーマに関連する用語、知識を紹介してあるので、会話中に出てはいないけれどこの話題ではよく使われる用語が紹介されているので、類似トピックでも使うことができます。

章ごとに「会話で使えるフレーズ」として使い回しのできるフレーズがいくつか書いてあるので、自分のスピーチに取り入れられそうなものはどんどん覚えてしまうと便利だと思います。

トピックの内容は公式ページAmazonでも確認していただけますし、Amazonではなか見!検索で本文の内容も見ていただけます。

まとめ

冒頭にはこの教材の使い方の説明がされており、まず話者の設定を読んでテキストを見ずに音声を聞く…といった学習方法も紹介されていますので、「どうやって活用しよう?」と思ったらここに書かれている方法にしたがって学習を進めていけばよいと思います。

この本の使い方の説明の箇所には

本書で学習をすすめるにあたっては、ぜひ「自分はどう思うか」「自分だったらどの意見に賛成・反対か」を考えながら取り組んでみて下さい。英語の表現や単語を覚えることももちろん非常に大切ですが、それと同時に皆さんの好奇心の向くまま、興味を持ったことについて調べたり考えたりする手間を惜しまないで下さい。
実際の会話は、テキスト通りに進むわけではありませんが、みなさんの中の引き出しの数を増やしておけば、実際の会話において「何を話すか」にこまることもなくなるでしょう。

とも書かれてあり、購入時に非常に好感を持った覚えがあります。
これだけ覚えればOK!というのではなく、こういった姿勢の書籍は内容もしっかりしている印象があります。
ここに書かれているように、常に自分はどう思うかを考えながら、色々な事を貪欲に調べて、自信を持って2次試験に臨めるようにこちらの教材を活用して下さい。

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英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング

【英検1級二次対策】PROS and CONSの使い方

今週末は英検の2次試験ですね。寒い時期なので、受験される方は体調管理なども含めて対策をがんばってください!

さて、1級のエッセイ、スピーチ対策の参考書としてよくお勧めされる Pros and Consですが、私も受験時に利用したので、使用方法の一例としてご紹介させて頂きます。


Pros & Cons: The Debaters Handbook, 18th Edn

トピック選びから

購入してまずざっと目を通してみると、当たり前のことですが内容丸々全てが英検対策としてそのまま使えないということにお気づきになるかと思います。
イギリスの書籍だけあって、あまり日本では(英検では)取り上げられない内容も含まれています。ということで、過去問を参考にしながら、取り上げられそうなトピックだけ選んでいくことから始めました。

まず自分の意見をまとめる

トピックをピックアップしたら、まず内容に目を通す前に自分の意見を簡単にまとめておき、その後で賛成意見、反対意見に目を通しました。
いくら意見の例がいくつも掲載されているからといって丸暗記しても意味がないので、色々な意見を読みながら、「これは自分の意見のサポートになる」「質問でこの反対意見が出てきたらどのように答えるか」などをチェックしながら読みました。

丸暗記はしない

とても説得力のある文章になっているので、その畳み掛けのパターンを覚えるという意味で繰り返し読んだり、そのまま覚えてしまうのは良いと思います。しかし、スピーチ原稿として覚えても、所詮借り物の意見です。面接官からツッコまれると頭が真っ白になりかねません。
内容に関しても、イギリスの実情に合わせてあるので、そのまま使用すると日本の実情には合わないものもあります。
そういうことから、私は丸暗記はせず、使える表現やサポート意見も一旦自分の中で噛み砕いて、考えがまとまったものだけ自分の言葉で書きなおすという方法を取っていました。こうやって一旦頭を捻っておかないと、当日切羽詰まった状況でなかなか口から出てこないと思ってのことです。書き直したものは添削に出すなどすれば、英文の誤りを気にすることもありません。

使いまわせる語句をチェック

そのジャンルで使えそうな単語などもメモしていきました。ここで単語をしっかり頭に入れておくと、類似トピックで使い回しができるのでとても便利です。
ここでチェックした語句などはニュース記事でも見かけるものもたくさんあるので、試験対策だけにこだわらずどんどん覚えていきたいところです。

まとめ

この本はディベート用のハンドブックですが、スピーチやエッセイの原稿作りのサポートとしてとても有効だと思います。
ただ、しつこいようですが、丸暗記だけでは試験で通用はしません。これはどの書籍でも言えることです。たとえそのまま使えるスピーチ原稿が載っていたとしても、それを暗記するだけでは完璧に対応できないはずです。
まず内容を理解し、自分と同じもの、違うものなどを上手に整理しながら、自分のスピーチやエッセイに深みを加えていくような利用法をして初めて活きてくる本だと思います。
ただ試験対策としてだけではなく、様々な社会問題を考えていく手助けにもなるので、長く使える一冊ですね。

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これで完璧 英検1級二次対策


英語スピーチハンドブック

English Journalアプリでディクテーション

リスニング力アップのためにディクテーションがいいとは言われても、なかなか続かない理由に、何度も聞くのが面倒くさい、分からない箇所に一発で頭出しするのが大変、などが挙げられるのではないでしょうか。アルクのEnglish Journalのリスニングアプリは、こういったディクテーションの煩雑さが改善され、初めてディクテーションをする方にも親切なツールです。

English Journal(EJ)のアプリ版の中身は、基本的に書籍版とかわりません。EJアプリの購入は、uListeningという専用アプリから行います。アプリ自体は無料で、本とリスニングツールのサンプルがそれぞれ入っています。

iPhone版 uListening (アルク) – ALC PRESS, INC.
iPad版 uListening (アルク) – ALC PRESS, INC.

 

雑誌を購入するには、Libraryの右上にあるStoreをクリックします。

 

ブックビューアとリスニングツールの2つに別れており、別々に購入することも可能です。本は900円、リスニングツールは700円で、2つを合わせた値段は1400円です。ただ、毎月発売後何日間かはセールをしており、今月号であれば1月5日まで1400円のところ600円で購入可能です。正規の値段で買うのが嫌になりますね。

 

こちらがブックビューアの画面です。英語と日本語訳、注釈を見ることができます。ただし、この画面からは音声を聞くことはできません。こちらのブックビューアでは、特集記事や英語に関するコラム、世界で活躍されている日本人のインタビューなどの記事を読むことができます。

 

音声はリスニングツールで聞きます。再生ボタンのところに、3という数字がありますが、これは3秒巻き戻るボタンです。細かく戻る時に便利です。また、×1というのは再生スピードで、×0.5から×2.0まで段階的に調整することができます。

 

また、リスニングツールでは、リスニングをしながら辞書で意味を調べることも可能です。アルクの英辞郎アプリ英辞郎 on the WEB for iPhone(アルク) – ALC PRESS, INC.も入れておけば、任意の単語を長押しすると英辞郎アプリが自動で立ち上がり、目的の単語のページが開きますので、単語を入力する手間が省けます。

 

単語を長押しした画面で、Repeatという項目がありますが、こちらは自分で指定した範囲を繰り返し聞くことが出来る便利な機能です。1文ずつ繰り返し聞きたい、または聞きとれなかったこの部分だけ何十回も聞きたい、という時に範囲指定をすると便利だと思います。

 

さらに、設定画面から、リスニング時間の設定が可能です。いつまでに何時間、と設定すると一ヶ月あたり何時間聞けばよいかの目安が出ます。リスニングアプリを使ってリスニングした時間がカウントされますので、長期スパンでの目標を設定し、進捗を確認するのに便利だと思います。

 

EJは中級者以上が対象になるかとは思いますが、使い方が親切に載っており、ニュースやインタビューなど素材も様々、各国のアクセントもまんべんなく聞けるよう、話者も様々なバックグラウンドの方が選ばれています。綺麗なニュース英語だけでなく、様々な英語に触れるために利用してみるといいと思います。

私は全くの初級者の時にEJを1年間定期購読してしまい、まったく歯がたちませんでした。VOAなどが聴き取れるようになってから再開し、Audiobookがラクに聴き取れるようになるまでの繋ぎとして1年ほど毎日1時間聞き、シャドーイング素材として利用しました。英検1級リスニングでは、インタビュー形式の問題があるので、EJで長めのインタビューに慣れていたことが随分役に立ちました。ニュースよりはくだけた話し方だけれども、ドラマほどではない程よいバランスです。学習ガイドがしっかりついていますので、ニュース英語に慣れたころに挑戦するといいのではないでしょうか。

 

 

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【ブックレビュー】英語はやさしく、たくさん

日本の伝統的英語勉強法である「難しく少し」に対して、「やさしくたくさん」は、やさしい英語をたくさん(あるいは繰り返し)聞いたり読んだりすることからスタートする学習法です。英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 (講談社パワー・イングリッシュ) は、著者がジャパンタイムズ社で新人記者を特訓する際に用いた手法が紹介されています。

やさしくたくさんとは?

「やさしくたくさん」とは、超やさしい英語をたくさん(あるいは繰り返し)聞いたり読んだり(話したり書いたり)し、だんだんレベルを上げていく方法であると定義されています。やさしい英語にたくさん触れることで、

1. 基礎を復習しつつ進むことになるため英語力に背骨が通る

2. やさしい英語ならば訳さずに理解でき、英語を英語のまま理解する理想的な姿勢になる。

3. やさしいから英語に接した量が飛躍的に増える。

ということです。

従来の、「難しく少し」という学習法は、英語「そのもの」は勉強しておらず、英語「について」勉強しただけです、という部分を読むと、確かに詳細に書かれた説明文を日本語で読む方法では、たくさんの英語に触れるのは難しいということが理解できます。

英語学習で大切な姿勢とは?

伸びる人と伸びない人は、英語に接する姿勢が違うそうです。重要なのは、

1. 英語を英語のまま理解する基本姿勢

2. 英語の音やリズムを、そのまま受け入れようとする姿勢

3. 英単語を、訳語ではなく「単語が意味している実体そのもの」として理解する姿勢

4. 単語の意味を、文中から自分でつかもうとする姿勢

5. 覚えるまで繰り返し学習するか、あるいは大量に接する姿勢

と説明されています。言うは易く行なうは難し、と思われるかもしれません。この本では、どうしたらこれらの姿勢を身につけることが出来るのか、筆者自身の経験と、ジャパンタイムズ記者を指導してきた経験を元に詳細に説明されています。時間をかけて勉強しているのに、なかなか実力が伸びないと感じているならば、この本を読んで”英語を英語のままで理解する’ことがどういうことなのかを学ぶといいのではないかと思います。

私の知り合いで、海外での交換留学と3年ほどの海外勤務を経験し、英検1級も取得されている方がいらっしゃいます。その方が洋書や洋雑誌を読めないと聞いて驚いたことがあります。短い記事を読んで問題を解くことは出来るし、基本的なコミュニケーションも取れるのですが、海外にいたからといって自然に長い文章が読めるようになるとは限らないようです。英検1級取得者でも、洋書を読みきったことがない、洋雑誌は読めない、という方がいらっしゃいます。本が読めるかどうかが重要なのではありません。たくさん読むことが出来るということは、そのぶん多くの情報を得られる可能性がある、ということだと思うのです。「難しく、少し」を長年続けていれば、自然にやさしい文章が多量に読めるようになるわけではないようです。この本では、「やさしくたくさん」の基本概念をわかりやすく説明されていますので、多読を始めるにあたって一読されると良いのではないでしょうか。

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【ブックレビュー】ネイティブ並みの英語の書き方がわかる本

ネイティヴ並みの「英語の書き方」がわかる本

和文英訳やパラグラフライティングのことを扱った英文ライティングの本は数多くありますが、説得力のある論理的な文章を書くため総合的なコツが書かれた本はあまりありません。「ネイティブ並みの英語の書き方がわかる本」では、個々のセンテンスやパラグラフはもちろんのこと、ネイティブと日本人のエッセイを比較しながら、英語らしい文章を書くためのコツが示されています。

和文英訳が上手にできても英語らしい文章が書けるとは限らない理由は、説得力のある英語の文章は、センテンス、パラグラフ、しっかりとした文章構成の三要素が必要とされるからのようです。また日本語と英語のコミュニケーションの展開の違いもあるため、日本語で考えた文章をそのまま英訳しても、どこかちぐはぐな印象を受けるのです。

まずセンテンスに関する注意点ですが、短い単文を避けること、いつでも主語で書き始めないよう工夫すること、andでセンテンスを書き連ねないこと、という注意点が挙げられています。英語では年齢を重ねるにつれセンテンスは長くなりますが、日本語は年齢ごとのセンテンスの長さにあまり違いはないそうです。このため、日本語感覚で英文を書くと、幼い印象になってしまうようです。

パラグラフについても日本人が犯しやすい間違いがあるようです。トピックセンテンスを省略してしまうこと、トピックセンテンスのサポートにならない関係のない文章、脱線が多いことだそうです。サポート文は具体的かつ自己主張をすることも重要であるとされています。

英語は起承転結ではなく、導入、展開、結論という型が一般的であるとされています。パラグラフライティングについては、英検一級ライティング対策本もよくまとまっていますが、こちらの「文章」の項では、説得力のある英文にするための展開の仕方が詳細に説明されています。

コミュニケーション方法の違いとして挙げられているのはまず、日本語では読み手と共通認識を有しており、当たり前と思われることは書かない点です。また、英語では先に結論を書くのに対し、日本語では最後に結論を書くため、日本人の書く英文は、メイントピックのないものも多いと指摘されています。筆者はアメリカ人学生と日本人の書く英文を比較研究した結果から、具体例を挙げて説明していますので、問題点がわかりやすいです。

とても短い書評では紹介しきれないほど充実した本です。日本語の癖を引きずったまま作文の練習を重ねるより、早めに弱点を知って矯正してしまいましょう。

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【問題集レビュー】English Grammar in Use

文法学習で”やさしくたくさん”を実践するならEnglish Grammar in Useがオススメです。私は英語学習初期の頃、多読と並行してGrammar in Useシリーズを2冊解きました。

 

私が使用したのはBasic Grammar in Use の日本語版であるマーフィーのケンブリッジ英文法(初級編)、次に洋書でEnglish Grammar in Use With Answers (Book & CD-ROM) : A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Students of English , Intermediate です。日本人により執筆された文法書は、どうしても文法用語をふんだんに使い詳しく説明されているため、英語そのものの勉強というより、日本語の読解では?と思うことがあります。その点 in Useシリーズは、英語の初学者でもわかりやすいように平易な英文で書かれています。日本語版も基本的には同じで、あまり文法用語を多用せず、基本的な事のみ書かれているので理解しやすい作りになっています。英語で書かれているため理解出来ないのではないかと最初は心配していましたが、逆に平易な英文を読んだほうがストンと理解出来ました。

 

この本の特徴は、説明を簡潔にし、演習問題をたくさん解かせることで、文法をただの”理解”にとどめるよりも、使って覚えさせるよう工夫が凝らされているところです。文法書の説明部分を読み、フンフンと分かったつもりで済ませてはいけません。実際に問題を解いて、文法事項を体得することが大事です。演習問題の量が多いため1冊仕上げるのは大変ですが、すべて解き終わる頃には、中学・高校で習った範囲の文法がひと通りおさらい出来ます。また、同時にリーディングやリスニングを進め、学んだ文法事項を実際に使って確認することで、覚えたばかりの文法内容の定着率が格段に良くなります。

 

本書は、既存の教科書や日本語で書かれた文法問題集と比べると、より”基本を理解する”ということに重点が置かれていると思います。細かい周辺情報は省かれているため、本質的な文法のルールがわかりやすい仕組みです。英語を理解するためには、本質的な骨組みとなる部分と、それを修飾していく詳細な部分がありますが、この修飾的な部分や細かな文法用語説明が時に雑音となって、本質的な仕組みの理解を妨げることがあるのではないでしょうか。細かな用語説明を一読して、わかったつもりになってしまうことすらあります。また、詳細に書かれている内容がわかりにくいからといって、ノートに書き写したり、覚えるまで何ヶ月も同じ問題集をやり続けるというのも、本来の英語学習の目的とはかけ離れたことだと思います。in Use シリーズでは、このような初学者にとって”雑音”となりやすい部分を極力おさえてありますので、大事なところだけをしっかり学ぶのに適していると感じました。

 

Basic Grammar in UseとEnglish Grammar in Useは取り扱う範囲がだいぶ重複していますので、全く初めて英語を勉強する、というのでなければEnglish Grammar in Use1冊でも良いと思います。With Answersと書かれていないものは、演習問題の答えがついていませんので、購入の際は注意してください。また、English Grammar in UseについているCD-ROMは、演習問題の音声読み上げではなく、PC版の問題演習のみとなっていますので注意が必要です。例文問題の音声版が入っているのはBasic Grammar in Useのほうですので、発音確認もしたい方はBasicのほうを購入されたほうがよいと思います。なお、English Grammar in Useはイギリス英語版、Basic Grammar in Useはアメリカ版初級編です。どちらもこだわりなく買ってしまいましたが、初心者だったためか違いはわかりませんでした…。English Grammar in Useに対応する北米版はGrammar in Use Intermediate Student’s Book with Answers and CD-ROM: Self-study Reference and Practice for Students of North American English (Book & CD Rom)です。

 

文法は大事ですが、あまり時間をかけすぎて実際に英語に触れる時間が減ってしまっては元も子もありません。1単元15分程度と時間を区切ってどんどん解き、実際に読んだり聞いたりするinputの時間も作ってくださいね。

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【問題集レビュー】 英語長文を読むためのパラグラフ・リーディング

大人が使える大学受験問題集シリーズ。今回は、「英語長文を読むためのパラグラフ・リーディング」をご紹介したいと思います。
皆さんは、「パラグラフ・リーディング」という言葉を聞いたことがありますか?
私自身は、講師時代にその存在を初めて知りました。長文読解がすごく苦手だった生徒さんがパラグラフ・リーディングを学んで劇的に力が伸びたのを目の当たりにし、その手法にものすごく興味を持ちました。
そんな魔法のような読み方がある?
そう思われる方は是非この2冊を手にとってご覧ください。

なぼむしの設定:レベル4~5 文法を一通り復習し終えてから。「ゆっくり調べながら読めば、長文も訳せる」ようになってから。)


英語長文を読むためのパラグラフ・リーディング―高校中級用 (発展30日完成 (14)) (定価 429円+税)

英語長文を読むためのパラグラフ・リーディング 高校上級用 (発展30日完成シリーズ 25) (定価 429円+税)

パラグラフ・リーディングとは

パラグラフ・リーディングとは、この2冊の編者・野村武士さんが冒頭で書かれている言葉を引用すると、

皆さんは、長文に接したとき、大切な文とあまり大切ではない文を区別しながら読んでいますか? この2種類の文を峻別しつつ、全体の論旨を大きく把握することがパラグラフ・リーディングなのです。

とのこと。

その目的は、

筆者が(1)「何について」(話題)、(2)「何を根拠にして」(論拠)、(3)「何を言いたいのか」(結論)を読み取ること

です。

本の中で、具体的には、

”パラグラフには「何について」書かれているのかを示す主題文が必ず一つ含まれていて最初・または最後の一文に来ることが多い。

このような、どこに大事な文が現れるかについてのヒントや

”主題文がどこにあるかを見つけるのに役立ち、また文がどのように展開されていくかを示してくれるディスコースマーカー(道しるべ語)について”

などが具体的に紹介されています。
どれも、次に長文を読むときに、すぐに活かせるルールばかりです。

パラグラフ・リーディングの目的

一文一文をゆっくり見れば、訳すことはできるし、意味はとれる。
でも、問題形式になっていて時間制限があったりすると、途端に正解できなくなる。

こんな方にこそ、取り組んでいただきたいのがパラグラフ・リーディングです。

パラグラフ・リーディングは、すばやく長文を読むための便利なツールのようなものですが、それは「いい加減に読み飛ばす」というのとは違います。

自分の得たい情報を素早く得る。
その目的をかなえる手段として、ぜひ利用してみてください。

おまけ ~不満を言わずに行きましょう~

この「パラグラフ・リーディング」。大学受験予備校では教えられることが多いですが、高校ではそうではないようです。
実際、私自身も講師時代にその存在を知り、最近になって勉強し直しているところです。

こんな便利なことなのに、環境によっては学ぶことができない。最初は、「そんなの習ってないよ」と不平・不満を言いたい気持ちがわきあがってきました。
けれど、よく考えれば、自分で勉強することができるんですよね。(しかも、今回ご紹介した本ならば2冊買っても1000円でお釣りが来ます)

この記事を読んでくださった皆さんの中で、パラグラフ・リーディングについて知らなかった人が、その存在を知り、「それならば自分もやってみようかな」と思う。
そんなきっかけになれたら嬉しいと思います。

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【問題集レビュー】全解説 頻出英文法・語法問題 1000

元予備校講師なぼむしの大人が使える大学受験問題集シリーズ。今回は、「全解説 頻出英文法・語法問題 1000」を取り上げます。
TOEICのリーディングパートなどでも四択問題はおなじみだと思いますが、この問題集は四択で群を抜く、問題のクオリティの高さを誇っています。
TOEIC対策として使っていただくのはもちろん、その先にある「使える」文法の体得のためにも、この本はイチオシです。
それでは、さっそく中身を確認していきましょう。

この本の特徴

全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)  桐原書店 定価 1300円+税

なぼむしの設定: レベル3~4 文法の総復習をしたい方、「使える」文法を目指す前の総仕上げに)

まず、解答(解説)が別冊になっており、本の作りからして確認がしやすいです。
そして、何よりその解説が丁寧でわかりやすい。
各問題に、どの分野のどの箇所から出題されているかが赤字で記載されているので、
万が一、その部分だけでは理解できなかった際も、文法書での確認がしやすいです。

文法と語法

この問題集は、タイトルにあるように、文法問題、語法問題の両方が出題されています。

文法は文を作る際の普遍的なルール。例えば、時制のルールを知っていれば、時制の問題には全て対応できますね。

語法は、その単語にのみ当てはまる使い方のルールであり、単語ごとに覚えていく必要があります。(もちろん、同じ使い方をする語をまとめて覚えていくなど、工夫次第で覚える効率は上がります。)

問題集によっては、語法ばかりに偏っている場合が多々ある(私の印象ではそのほうが多い)のですが、その点、この問題集は、バランスよく文法、語法に関する問題が出題されており、文法復習に高い効果が期待できます。

全部解いた後に、単語の使い方しか身につかず、結局文法の全体像が見えない。それでは悲しいですよね。
この問題集ならば、そのようなことは決してありません。

おすすめの解き方

先ほど、本の特徴のところでも書きましたが、解説のところに、どの分野・項目から出題されているかが記載されています。
間違えた時は必ずここを確認してください。
もしも語法問題(単語の使い方の時には、具体的な単語が記載されています)ならば、この単語はそういう使い方をするのだなと、納得し覚えるようにしてください。
そして、重要なのは文法問題の場合。(その際には具体的な単語ではなく、文法用語で書いてあります。例:「副詞用法の不定詞-結果」)
それは、その単語だけではない、文法という普遍のルールに関する問題です。この場合は、さらりと流すのではなく、分かるまで食らいついてください。分からない場合は、総合英語Forestなどでしっかり復習することをお勧めします。

余力のある方に

以下にあげるのは、瓜生・篠田先生のシリーズ本です。
紹介しておきながら、あれですが、決してすべてを解こうとしないでください。
今回ご紹介した「全解説 頻出英文法・語法問題 1000」を1冊丁寧に解くだけで十分です。

私は講師時代に、ファイナルの難関大学編を解きました。
「高校生に英語を教えたい」と思われる方には、これらの本(特にネクステージ)は有名ですので、一度手にとって確認されることをお勧めします。

Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント215の征服

全解説入試頻出英語標準問題1100―文法・語法・イディオム・会話表現の総整理 (大学受験スーパーゼミ)

全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編) (大学受験スーパーゼミ)

全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編) (大学受験スーパーゼミ)

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【問題集レビュー】毎年出る 頻出英作文

元予備校講師なぼむしの選んだ、大人が使える大学受験用問題集シリーズ。
3冊目は「毎年出る 頻出英作文」です。
この本は、前回ご紹介した「伊藤サムのこれであなたも英文記者」の前に解いて、英作文学習の奥深さに開眼した本でもあります。
さっそく中身を確認して行きましょう。

この本のおすすめポイント

毎年出る頻出英作文  日栄社 定価:591円

なぼむしの設定:レベル4 文法を一通り復習し終えた上で、自分で英文を書けるようになるためのステップとして)

・3段階の問題構成
この本は、「暗唱文編」・「基本問題編」・「発展問題編」の3章に分かれており、無理なくレベルアップしていくことができます。

・豊富な解答例
「基本問題編」・「発展問題編」では、大学入試の英作文問題がそれぞれ150題、72題出題されています。
この問題集の一番のおすすめポイントは、解答例が3例掲載されていること(2つは編者の訳、もう一つはアメリカ人助教授・講師の訳)です。

自分で英作文の勉強をしようと思って一番困るのが、正解かどうかを判別できないこと。一字一句解答と同じ文が書けるはずなどありません。「こういう書き方もできるんだ」、「ネイティブはこういうふうに考えるんだ」ということが分かるのが、この問題集の素晴らしいところです。

こんなふうに解くとよい

「暗唱文編」・「基本問題編」・「発展問題編」とある中で、私は「暗唱文編」を飛ばして、「基本問題編」全部、「発展問題編」の途中まで解きました。

「暗唱文編」は、一問に一つずつポイントになる語句や構文が含まれています。私自身は他の問題集で嫌というほどそれらの構文、文法は解いていたので飛ばしましたが、この部分も自分で英作文することで、文法学習のおさらいができると思います。
「基本問題編」・「発展問題編」は、複数の構文、重要語句の使い方を組み合わせて解くことになります。問題部分に、「考え方」という欄があり、ヒントとしてどのような構文を使えばいいかなどが書いてあるので、そこに出ている内容は必ず押さえていきましょう。
「基本問題編」と「発展問題編」の出題構成、一文の長さは同じです。今レビューを書きながら、どうして発展の途中でやめてしまってるんだ!!と自分でビックリしているところです。「発展問題編」は「教育・学問」、「世界・国際」などジャンル別の出題になっていて、英検のエッセイなどに役立つ問題となっています。

こちらもおすすめ

この本を出版している日栄社は、隠れた名著をたくさん出版しています。
表紙、見た目が地味なので、なかなかぱっと手に取らない本かもしれません。(逆にその目立たなさで目立っているかも!?)
問題の質、中身は超一流。
見た目より中身で勝負という、無骨なところが私は好きです。

英語構文初級・中級用 新訂版 (1日1題 54) 定価:306円

英語構文―高校初級・中級用 (発展30日完成 (4))  定価:450円

英作文―高校初級用 (集中2週間完成 (6))  定価:336円

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