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誤訳から学ぶ 「誤訳の構造」

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先週の記事で中原道喜先生の英文読解の教材をご紹介しましたが、今週も引き続き私のお気に入りの中原先生の書籍のご紹介をしたいと思います。


誤訳の構造

この書籍はタイトル通り数々の誤訳を取り上げています。
まえがきにもあるのですが、決して意地悪で誤訳をとりあげているのではなく、誤訳から学んで誤訳を防ぐために書かれたものです。

内容

名詞、前置詞といった項目別に誤訳例が取り上げられています。
英文と訳が書かれていて、誤訳の部分に下線が引かれています。
そして、文法的な説明とどのように訳すべきかが丁寧に説明されていて、読んでいてなるほど!と思います。この解説がとても丁寧で、誤訳された語の詳しい説明とともに注意すべき点が例文とともに示されています。どうしてこれは誤訳なのかがとても論理的に説明されています。

He’s unselfish— and very considerate for a man, (以下略)
「身勝手な所がなくてーー人には思いやりがあって(略)」

このような例文がありました。
実はこのforの使い方は私もスクールでよく指摘されたのでよく覚えていたのですが、forには「〜の割に、〜としては」という意味があり、ここでは「男性の割には思いやりがあって」と訳さねばなりません。

本書ではしっかりforの使い方の例文も書かれており、それで頭に入ります。もちろんきちんと considerate のあとには of ではないとこの意味にならないということも書かれています。(名詞のconsideration の後ろには for であるとも書いてあるきめ細やかさ)

そしてこのように前置詞によって訳し方が違うものが色々例示されているので、これも参考になります。

例)
He paid the money to me. (彼は私に金を支払った。)
He paid the money for me. (彼は私の代わりに金を払ってくれた。)

いかがでしょう。全然違いますよね。

こうやって例がたくさんあげられているととてもわかり易いです。前置詞にもしっかり気を配りたいな〜と思えてきますよね。

一見問題集のような感じもしますが、読んでいると色々な発見があり、丁寧な説明と適度な長さのいくつかの例文で理解を深めていけます。

読み物のような気分でも読んでいただけるかと思います。しかし奥が深い本なのでぜひじっくりと楽しんでください。

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続編も出ています!


誤訳の典型

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