私は講師時代、個別巡回指導を担当していて、そこで初めて見る問題に即座に答える必要がありました。
今だから言える失敗談なのですが、入って間もない頃、生徒に長文読解の問題の一つを質問されて、「これは最初から読まないとわからないから、(解説するのに)ちょっと時間がかかるよ」なんて答えてしまったのです。
今思い出すだけで、恥ずかしさと申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
そんなとんでもないスタートでしたが、4年間それを続ける中で、問題の意図、そして解答の書いてある箇所をすばやく見つけるスキルを身につけ、長文の中の質問にもその場で答えられるようになりました。
精読の対極にあるもの
みなさんは精読の対極にあるのは何だと思われますか?
大人の英語学習では、精読の反対は多読と位置付けられているように思います。事実私たちも、「精読と多読のバランスが大事」と書かせていただいています。
今回、ふと講師時代のことを思い出して気づいたのが、精読の対極に、多読とは種類の異なる「問題を解くための読み方」が存在するということです。
時間をかけて一文一文訳していけば、意味はとれる。確かに皆、まずはそこからのスタートです。しかし、そのやり方では、試験の時間的制約、物理的制約(辞書を引くことができない)に、対応することができません。文法・新出語彙に出会う精読を十分に続けた後で、「問題を解くための読み方」を新たに身につける必要があるのです。
問題を解くために必要なスキル
長文問題を解くにあたって、必要なのは以下の3つのスキルです。
・読むスピード (その試験に求められる語彙、文法知識はすでに身につけていることが前提)
・わからない単語があっても読み飛ばせる、想像ができる力
・質問で聞かれている箇所を素早く見つけられる力
私は、3つ目の「質問で聞かれている箇所を素早く見つけられる力」が、もっとも大事だと考えます。
私自身、このスキルを磨いたおかげで、読解部分は常に得点源に。合格回には、24点/26点獲得できています。(詳細はこちらをご覧ください)
次回、英検1級 長文対策 なぼむし編では、その解き方について詳しく書かせていただこうと思います。
<大人のやり直し英語・長文読解におすすめの問題集>