お勧め文法書  その3



「おすすめ文法書」シリーズ第3回。今回はなぼむしが担当させていただきます。

私にとってのやり直し英文法

私が文法学習をやり直したのは、予備校の英語非常勤講師の職に就いた時です。その時の英語資格は、TOEIC810, 英検準1級。英検取得のために駅前留学をしていたので、英語には触れ続けていたつもりでいました。

それなのに、いざ教え出してみると、文法の説明が全くできない。「ここはどうしてこの形が入るの?」と聞かれても、言葉が出てこないのです。今まで感覚で解いていたことを、文法用語を使ってきちんと説明しなければいけない。今思えば、教える仕事に就く限り当たり前のことだったのですが、当時の私は面喰らいました。

まず、上司に勧められた英文標準問題精講を1冊仕上げ、文法の全体像の復習から始めました。この本は旺文社の精講シリーズの中でも難易度がもっとも高く、この本を最後まで解けたことは、かなりの自信になりました。ただ、エミコフさんが前回書いているように、やりなおし初回でこのようなヘヴィな問題集はお勧めしません。あくまで、全体像を振り返るという目的で、薄めの問題集を仕上げるのがよいと思います。

その後も文法関連の問題集は、十何冊と解きました。文法問題集については、次回詳しく書かせていただくとし、今回は文法書について書かせてもらいます。

考え方を学ぶFOREST、事典として使うロイヤル英文法

私が使っていた講師時代に使用した文法書は、総合英語Forestロイヤル英文法の2冊です。

どちらの本も、短期間で読んだのではなく、講師をしていた通算5年に渡って、何度も何度も読み返し、分からないところをつぶし、自分の血肉としていきました。

この2冊。用途は全く違います。FORESTのほうは、生徒に文法を分かりやすく説明するため、ロイヤル英文法は、生徒に分からない問題を聞かれた際の確認のために使いました。

自分は、教えるという目的でこの2冊を使ったわけですが、用途としては、通常の学習者の方にも同じやり方で使っていただきたいと思います。

FORESTのほうは、親しみやすく、かつ分かりやすいイラストが付いています。時制や関係詞の概念など、文章だけで読んでいてもなかなかつかみにくい、「考え方を理解する」のに大変役に立ちます。以前、精読シリーズ第2回第3回で述べたような、動詞周りの文法事項、考え方を理解しなくてはならない文法事項の確認に、もっとも適していると思います。

ロイヤル英文法に関しては、そのすべてを丸暗記しようとするのはナンセンスです。あくまで、分からないところの確認をするための事典として使うべきだと考えます。TOEICの文法問題、大学受験の文法問題。どんな重箱の隅をつつく文法事項でも、ロイヤルを開けば正解にたどりつけます。そういう意味ではものすごく頼りになりますが、これを全部覚える必要はありません。逆に、すべてを解説してくれている分、どこが本当に押さえるべきところなのか見失う危険さえあります。

文法書と携帯電話のマニュアル

英語における文法書は、携帯電話のマニュアルと非常に似ています。

携帯電話本体が、実際に存在する英語の文章。(一つの文ではなくて、絵本、小説、新聞記事など、まとまった文章のかたまりのことです)そして、マニュアルが、文法書。

新しい携帯電話を買って、その箱を開けたとき・・・あなたは携帯本体とマニュアル、どちらを先に手にとるでしょうか。

「何百ページにもわたるマニュアルを読んで、すべて理解してから、やっと携帯本体に触れる。」

この答えに違和感を感じられた方は、きっと私の言いたいことを理解してくださるはずです。

ほとんどの方は、実際に携帯電話を手にとって、いろいろ試してみることと思います。新しい機種を手に入れた喜びに、ワクワクしながら。目の前にあるこの英文を読みたい。理解したい。その気持ちと似ていませんか?

そして実際に触ってみて、「この機能はどのボタンを押して使うのかな?」と思った時、初めてマニュアルを開きます。この文を読みたいけれど、文法構造がわからない。その時になって、文法書を開く。

同じだと思いませんか?

まとめ

考え方を理解するためのFOREST, 事典として分からないことを調べるためのロイヤル英文法。用途によって使い分けてください。その際、短い期間で一気に読み終えようとせず、実際の英文の中で分からない事項に出会ったら、何度でも開いて調べるようにしてください。

総合英語Forest 6th edition

ロイヤル英文法―徹底例解

やり直し英語で、初めて英文法を復習しようとしている方は、これら2冊を開く前に、薄め(自分で易しいと感じるくらいの)問題集を解いておくことをお勧めします。(どういう点が分かっていないのかを、前もって確認するため)

問題集に関しては、次回記事で、お勧めや選び方について書かせていただきます。

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