元予備校講師なぼむしの選んだ、大人が使える大学受験用問題集シリーズ。
2冊目は「伊藤サムの これであなたも英文記者」です。
第2回にして、いきなり大学受験用からはみ出してしまい、申し訳ありません。
この本は高校~大学受験英語の文法を一通り押さえた上で、いよいよ自分で英文を書いてみる。
その練習の1冊目として大変お勧めです。
この本のおすすめポイント
伊藤サムの これであなたも英文記者 出版社: ジャパンタイムズ 定価:1470円
(なぼむしの設定:レベル4~5 文法を一通り復習し終えた上で、自分で英文を書けるようになるためのステップとして)
筆者の伊藤サム氏 (ホームページ: http://homepage1.nifty.com/samito/ )は、言わずと知れたジャパンタイムズの元編集局長。最近ではNHKの「ニュースで英会話」でご存知の方も多いかもしれません。
先生が長年英語学習情報誌「週刊ST」で連載されていたコーナーを書籍化したのが、この本。
34問の課題に、提出生徒の和訳例、1問につき4ページにわたる詳細な解説、モデル例と、自習者にとって大変親切な構成となっています。
「4ページにわたる」と聞くと、そんな長い説明、読みこめる?と思われるかもしれませんが、先生の分かりやすい説明、そしてお人柄か、読むのが全く苦にならず、「そうなんだ!」とうなずくことばかり。
説明の中には冠詞の使い方(そこでaを使えばこんな意味、theだとこう)や、単語のニュアンスなど細かい部分についても、どんどん触れられています。
文法書で無機質に書かれているのを見た時には、「こんなこと覚えてどうするの?」と思うようなことが、実際の場面で必要になってくるのを見ると、やはり文法をしっかり押さえておくべきなのだという気持ちも高まります。
こんなふうに解くとよい
基本的には、やはり高校~大学受験程度の英文法を復習してから解くことをお勧めします。
課題を見て、日本語をひとつひとつ英語に置き換えて訳している段階では、この本の良さが発揮されないと思います。
先生の説明は大変分かりやすいですが、適していない時期に読むと、「こんな細かいことも覚えなくちゃいけないの?」となってしまう可能性があります。
そして、そのような誤解から、「だから文法なんて嫌だ!」と思ってほしくないのです。
文法の全体像を知った上で、その文法を自分で使っていく訓練をする(それは問題集の記号が選べるという意味ではありません)。
初回にも書きましたが、文法を再学習する意味の一つは、正確な文を自分で書けるようにするため。
実践の場で使う訓練の1冊目に、この本をお勧めします。