英検1級1次試験で、リスニングは113点中34点を占めます。合格者と受験者の平均点数の差は5−6点のようですので、合格/不合格の差はそれほど大きくないのではないかと思われるものの、リスニングが20点前後の方が安定して20点後半を取るのは難しく感じられるのではないでしょうか。
英検1級リスニングパートは会話文と一般文に分けられます。2012年第3回の試験問題も公開されていますので、ぜひリスニング問題を聞いてみてください。リスニング内容は、同僚との会話、旅先でのアクティビティの申し込み、グルテン不耐症、インタビューなど話題は多岐に渡ります。日頃から様々なリスニング素材を聞いておくことが大事ではないかと思います。
英検1級リスニング素材としては、英検ウェブサイトの過去問、英検サイトのめざせ1級!podcast, 英検1級リスニング問題150 (英検分野別ターゲット)、2012年度版 英検1級 過去6回 全問題集 (旺文社英検書)
などがありますが、これらの問題集を解くだけでは不十分です。過去問や問題集を解いただけで安心せず、他にも1級レベルのリスニングをたくさんするべきだと思います。
以前 リスニング素材レベルの参考に で紹介した、多聴多読ステーションの多聴素材難易度ガイド をもう一度紹介します。今回は、英検1級パートに的を絞って見てみます。
縦軸が読みやすさレベル、横軸がリスニングレベルとなっています。この表からすると、ハリーポッターやダン・ブラウン等のオーディオブックは1級リスニング問題よりもレベルが上です。CNN News Updateや、NHK Online では1級パート1,3には力不足のようです。
BBC Global News は、世界のニュースが1日2回30分程度のPodcastとして配信されますので、イギリス英語対策として聞くと良いと思います。
ダボス会議での緒方貞子さんのスピーチはYoutubeにアップされています。こちらのメッセージなど非常に聞き取りやすいのではないでしょうか。ビル・ゲイツのダボス会議スピーチはコチラです。声が甲高くてちょっと聞き取りにくいですね。ダボス会議の2013年Annual Meeting のビデオもチェックしてみてください。
オバマ大統領のスピーチビデオはコチラ、mp3 音声はコチラによくまとまっています。
こちらの表には載っていないのですが、ENGLISH JOURNAL もオススメです。各国の俳優、著名人のインタビューは、雑多な情報を聞き取る訓練になります。この場合、”なんとなく分かる”ですませないことが大事です。English Journalは全てスクリプト付きですので、知らなかった単語やフレーズをチェックし、”内容が分かる”のみでなく、一語一句聞き取れるレベルのリスニング力をつけることが大事だと思います。
日本語ネイティブだからといって、国語テストで100点が取れるわけではないように、英検1級リスニングも全て聞き取れたからといって満点が取れるわけではありません。解答を選ぶ時間は10秒程度ですし、問題文は一回しか読まれませんので、聞き取れただけでなく、内容を覚え、10秒以内に解答も選ばなければなりません。”なんとなく”内容が分かる、時々聞き取れないレベルでは、取りこぼしが大きくなってしまうと思います。リスニングで安定して20点台後半を取るために、1級リスニングレベルであれば何でもきちんと聞き取れるよう、様々なリスニング素材に触れるよう心がけてみてはいかがでしょうか。