私が英語を学習し続けてよかったと思うことの一つに、「英字記事が読めるようになった」ことが挙げられます。
「新しい情報をいち早く得られること」、「日本語ソースでは得られない情報を得られること」、「新しい視点を得られること」・・・英字新聞を読めるようになったことで、見える世界は大きく広がりました。
今回からのシリーズでは、英字新聞を英語学習に取り入れることについて書いてみたいと思います。今日は、私自身が初めて英字新聞に取り組んだ時のことを振り返ってみたいと思います。
初めて読んだ記事について ~回顧録~
結論から言えば、私の英字記事初挑戦は、今振り返ると大失敗でした。
なぜ失敗だったか、原因考察は次の章で行うとして、当時の状況について少し振り返ってみたいと思います。
私が初めてしっかりと英字記事に取り組んだのは、2004年1月のことでした。当時、英字記事がネットで読めることを知り、嬉々としてプリントアウトしたことを覚えています。
当時は深い考えがあって英字記事を読もうと思ったわけではありません。「英字新聞が読めたらかっこいい」くらいのミーハーな気持ちでした。大学生の時にTIMEを購読して、1記事も読まないまま全号捨てた前歴があったので、もしかしたらその悔しい気持ちがどこかに残っていたのかもしれません。
2004年といえば、英検準1級合格から約4年。TOEICの点数は800点台前半を前後していた頃。そして、予備校での文法や英文解釈の指導を始めて3年ほどたった頃です。
当時、仕事での経験から「文法知識を元に構文をとる力」は、準1級合格時より格段に上がっていたと思います。
それでも、全くスムーズに読めることはなく、出てくる単語出てくる単語を辞書で調べ、文の訳をメモし・・・何時間もかかって、最後まで仕上げた記憶が残っています。
なぜ失敗したのか
実は、その初挑戦の記事、手元にプリントアウトしたものが残っています。
選んだ記事は、The Japan Timesのもので、韓国の経済政策についてグアテマラの大学教授が寄稿した記事でした。
なぜ読めなかった(長時間かけて精読したにも関わらず、たいして理解できた気がしなかった)かについては、以下の3つの原因が考えられます。
まず1つ目は、分からない語彙が多すぎたことです。
ある英語関係の方から聞いた話では、「文章の中の単語を7割以上知っていれば推測して大意をとることができるが、7割を切ると推測も難しくなる」とのこと。
パッと見たところ完全に7割は切っていて、文によってはたった一文に7語も分からない単語が含まれていました。
これでは、一読して意味をとるのは不可能です。
2つ目は、全くなじみのないジャンルを選んでしまったことです。
その当時も(そしてその後も・・・)韓国の経済政策に興味を持ったことは一度もなく、なぜその記事を選んだのか、自分でも意図が分かりません。
1つ目でも書いたように、分からない単語だらけなのを一つ一つ辞書で調べましたが、それでも意味が分からない。その多くは経済に関する専門用語でした。
経済に関する知識もほとんどない自分には、日本語にしても書いてあることを理解するのは困難でした。
そして3つ目は、選んだ記事の形式、ソースが自分のレベルに合っていなかったことです。
この記事に関して言えば、大学教授の書いた論文(エッセイ)ということで、事実だけを淡々と述べるニュース記事とは性格が異なります。この教授がどういう主義・主張を持っているかは、その記事だけでは想像のしようがありません。
そして、記事の長さは800~1000語ほどありました。これも初挑戦で読むにはあまりに長く、同じ集中力を持ったまま最後まで読めたとは考えにくいです。
The Japan Timesが英検でいうとどの級のレベルに当たるのか、ずっと後になってから知りましたが(参考リンク)、以上3つの要素から考えて、全く当時の自分のレベルには合っていなかったことだけは明らかです。
その後の取り組み
手元にあるプリントアウトした記事のファイルを見てみると、しばらくは同様の「よく分からない」基準での記事選択が続きました。
なぜか日露戦争に関する記事(先ほどよりも長い2000語以上に渡るものでした)に取り組んでいたり、その後も迷走は続きます。
詳細についてはまた記事を改めたいと思いますが、その後の試行錯誤を経て、TIMEが読めると感じられるようになったのは、英検1級取得前後。この「迷走時」からおよそ3年後のことです。さらに英字記事への取り組みは続き、現在では国連英検特A級取得のため「情報を得るための英字記事読解」にシフトしています。
失敗を反面教師に・・・
話を元に戻します。
3つの理由で失敗してしまった英字記事初挑戦でしたが、これから英字記事を学習に取り入れようとしている皆さんには、私の失敗を反面教師にしていただければと思います。
つまり、
・分からない語句が多すぎず (=知っている単語が7割以上)
・自分になじみのあるジャンルで
・レベルにあった記事を選ぶ
こと。この3つに尽きます。
次回からの記事では、具体的にこれら3つのことに気をつけて学習を進める方法について書きたいと思います。