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Posts Tagged ‘英検1級’

Oxford辞書によるライティングのコツ

Oxford辞書のWeb siteに、Better Writing というコーナーがあるのをご存知でしょうか。ライティングのために知っておくべき文法、英語学習者が陥りやすいミス、英文履歴書の書き方など、ライティングを改善するためのコツがまとめられています。

 

Better Writing コーナーには、Grammar, Spelling, Punctuation, Practical writing, Improve your English, Abbreviations のセクションがあります。ここで文法を学ぶには不十分ですが、ライティングに必要な部分のみ簡単におさらいするのには良いと思います。

 

特に読み応えがあるのが、Improve your Englishのコーナーです。このコーナーでは、英語学習者が特に陥りやすい間違いが挙げられています。Who を使うかwhomを使うべきか、一般的な人々を指す時に”he/she” を使うべきか、they を使うべきかの使い分けなどが丁寧に説明されています。

 

ここでhe/she, they の使い方のページをみてみましょう。A researcher has to be completely objective in ( ) findings. 研究者は、実験結果に対して完全に客観的でなくてはならない。という文章が例として挙げられています。一昔前であれば、Researcherを受ける代名詞はhisで問題なかったようですが、現在ではA researcher has to be completely objective in his or her findings.と、彼/彼女で受けるようになっています。ただ、これは文章中に1回だけなら良いのですが、何度も繰り返すのは面倒です。その場合、Researchers have to be completely objective in their findings.と、Researchersを複数形にして、theirで受けるやり方を紹介しています。さらに、A researcher has to be completely objective in their findings. と、研究者は単数なのに、それを受ける代名詞はtheir と複数形にする方法もあると紹介しています。これは文法的に間違いなのではないかという議論もあるようですが、話し言葉、書き言葉の両方で受け入れられつつある、と説明されています。

 

また、Practical writing の項目では、履歴書の書き方、求人応募の手紙、苦情、招待状などの書き方が説明されています。このように、ある程度”型”が決まった文書は、最初は正しい書き方を参考にしながら自分用に少しずつアレンジしていくのがよいのではないでしょうか。

 

日々の英文ライティングで、”こんな時どうしたら良いのだろう?”と疑問に思う点がわかりやすい説明とともに挙げられていますので、ひと通り読んでみると今までの疑問が解決するのではないかと思います。

 

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アウトプットを意識した雑誌選び

英検1級対策として Time、The Economist、Newsweekなどの英文雑誌を検討したものの、どれがいいか迷っていらっしゃる方がいらっしゃるのではないでしょうか。私は英検1級に挑戦する前に、Time、The Economist、Newsweek、日本の英字新聞を比較し、The Economistを選びました。どのような基準で選んだのか、理由を紹介したいと思います。

 

 二次試験のトピックを視野にいれる

英字新聞を定期的に読む、というと”読解対策”と思いがちですが、ただ読むだけではなく、二次試験を視野にいれた雑誌選びを心がけました。購読を始める前は、The Economist は経済専門誌だと思っていましたが、経済問題だけではなく、環境問題、新しい科学技術の紹介、高齢化対策、移民問題、紛争、政治など話題は多岐にわたります。日本の英字雑誌は、国内で起きた事件など既に内容を知っているものも多く、そのぶん読みやすいのですが、Time、The Economistのほうが1級2次試験のトピックに対応するためには適していると感じました。

 

英語で論理的に意見を述べるための土台にする

TimeとThe Economistを比較しThe Economistを選んだのは、記者の考えが順を追って述べられており、結論に至る道筋が分かりやすかったからです。日本の英字新聞や、NYTなどの新聞では出来事は詳細に書かれているものの、記者の考えを知ることはできませんでしたし、Timeは事例の紹介が多いのは良いのですが、記者の考えの道筋が分かりにくいと感じました。二次試験では、英語で論理的に意見を述べる事が求められますが、”英語で”という以前に日本語でも意見を持たなかった自分には、考え方の道筋を示してくれるThe Economistは好都合でした。”本誌ではこう考える、その理由は〜”という部分をそのまま自分の意見として受け入れてもいいし、”いや、それは違うと思う。その理由は〜”と、反論する材料にもなります。ただ単語を調べながら読むだけではなく、アウトプットを意識し、”意見の述べ方”に注意を払うことで、ライティング、スピーキングにも活かせると思います。

 

英語レベル

英検1級単語集の索引をチェックし、1級単語がTime、The Economist、Newsweekで使われる頻度をチェックしました。Time、The Economistでは、meander, abdicate など、単語集に載っている、またはそれ以上のレベルと思われる単語が数多くありました。単語集で覚えた単語は定着率が悪いので、実際に英文を読みながら、使われ方やコロケーションを確認するためには、Time、The Economistが適していると思いました。

 

まとめ

英検1級は問題集を真面目に説いてさえいればいつか合格するという類のテストではありません。1級レベルの記事を数多く読んで読解力を上げ、ライティングや二次試験のためにアウトプットを意識したリーディングが必要になってくると思います。どの雑誌を選ぶかは個人の好みも大きいと思いますが、読みやすさだけではなく、取り扱うトピックの内容や、英語で意見を述べる時の参考となるような雑誌を選ぶと良いと思います。

 

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英字記事を読めるようになる方法 (3) 試験を戦略的に活用する

これまでの英字記事シリーズでは、記事を選ぶ際、「知らない語彙が多すぎず、自分になじみのある内容で、レベルに合った記事を選ぶのがよい」と書いてきました。

至極当たり前のように思える、これら3つの判断基準。
全てを満たす記事を自分で見つけ出すのは、そう簡単なことではありません。
「何から始めたらいいのだろう」、
「この記事は自分のレベルに合っているのだろうか」

なかなか自分では判断の付きにくいこれらのこと。
実は、するべきことそのものずばりを示してくれる、とっておきの試験があるのです。

英字新聞が先か、英検合格が先か

その試験とは・・・実は「英検」なのです。

私が英字記事を読めるようになった過程は、そのまま英検1級合格を手に入れた過程とぴったり重なります。

私の場合は、「英検1級を取りたい」という気持ちのほうが先にありました。合格して、そしてこのように自分の英語学習について振り返る機会を持つようになって初めて、英検1級取得のために行った学習の一つ一つが、英字記事を読める力を培うのに役だったのだと気づきました。

「英検1級に合格したいから、英字新聞を読む」
「英字新聞を読めるようになりたいから、英検1級を受験する」
私はどちらの動機が先であっても構わないと思います。

何からしたらいいのか分からないと迷う方にとって、英検は「これだけの語彙レベルが必要」、「これくらいの長さ・難易度の文章を読める力が必要」とはっきりゴールを示してくれる頼りがいのある存在になります。
取り立てて資格をとる必要がない方も、資格の勉強なんて・・・と思う方も、「手段」の一つとして取り入れてみることを強くお勧めします。

英検学習の”ココが効く”

英検の問題の中で、英字記事を読む力をアップさせるのに直結するのは、語彙パートと長文読解パートです。

語彙パートに関しては、記事媒体にも寄りますが準1級~1級レベルの単語を習得することが必要不可欠となってきます。
「1級の単語本にあるような単語なんて普段目にしたことがない」、そういう声も多く聞きます。
実はThe Economist, NYT, TIMEの記事の中には当たり前のように顔を出してきます。
準1級の語彙に至っては英字新聞を読む上で必要不可欠の単語ばかりです。準1級の単語がわからなければ、以前の記事で書いたような7割のラインは簡単に切ってしまいます。準1級の単語本は丸々完璧にするくらいのつもりで身につけておかねばなりません。
(※準1級の単語本を完璧にするまで、読み始めるなという意味ではありません。単語力は実際に文章を読むことを通して身につけていくものだからです。)

そして、長文読解パートです。
これは英字記事とすることは同じ「読む」ことなのですから、なぜ大切か、まわりくどい説明は不要かもしれません。
文章の長さも英字記事1本と同じくらい、内容も時事問題や各種分野の専門的な話題など、英字記事と共通するところが多いです。
強いて違いを上げれば質問がついているかどうかという点ですが、実はこの「質問が付いていること」がより一層読むことの効果を上げるのです。
いきなり英字記事に取り組んでも、本当の意味で理解しているのか不安になる方も多いと思います。
ちゃんと内容を理解できているかが確認できる、しかも過去問や問題集ならば、ほとんどの場合日本語訳が手に入るのでさらに深く一文一文を読みこむことができるでしょう。

まとめ

英字記事を読みたいけれど、何から手をつけていいのか分からない。
そのような場合には英検を「手段」として取り入れてみましょう。
必要な語彙力の目安がわかり、また「意味を理解して読むことができているか」確認することができます。

もちろん英検では、リスニングや英作文、面接でのスピーキングなど、直接読むこととは関係のない分野も出題されます。
読むこと(インプット)を通して、意見を言うこと(アウトプット)にも興味を持つきっかけになる。
決して英検のまわし者ではないのですが、読むだけや聴くだけでなく四技能まんべんなく伸ばしていける英検を、ぜひ戦略的に利用してみてくださいね。

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【ブックレビュー】論理が伝わる世界標準の「書く技術」

英検1級の英作文では、与えられたトピックについて、3つのキーワードを用いて論理的に自分の考えを示す必要があります。きちんと伝わる文章を書くためには、パラグラフの概念が重要です。しかし、私たちは学校の授業で、パラグラフ・ライティングについて訓練されたことはなかったのではないでしょうか。そこで、パラグラフ・ライティングの技法を日本語で学ぶことができる、論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス) を紹介したいと思います。

 

この本は3部構成になっていて、第一部では、なぜ伝わる文章が書けないのか、その問題点とパラグラフの重要性について説明しています。伝わらない文章を書いてしまう理由として、

1. 基本を勉強していない

2. 経験を積めば書けると思っている

3. 従来の学習方法に問題がある

が挙げられています。基本の型を知らないまま、ただ闇雲に書く練習をしても上達は見込めないようです。また、文単位での練習ばかりしていても、論理的な文章を身につけることは出来ません。このような問題点を把握し、パラグラフの定義や、パラグラフを使って文章を書くとなぜ論理的な文章になるのかを学ぶことで、パラグラフ・ライティングの重要性を理解することが出来るようになります。

 

第二部では、パラグラフ・ライティングの7つのルールが説明されています。これらの項目は、

1. 総論のパラグラフで書き始める

2. 1つのトピックだけを述べる

3. 要約文で始める

4. 補足情報で補強する

5. パラグラフを接続する

6. パラグラフを揃えて表現する

7. 既知から未知の流れでつなぐ

です。例文を用いて説明されていますで、自分が考えた答えと照らし合わせ、学んだポイントが定着しているか、確認しながら読み進めることができます。

 

第三部では、ビジネス実践例を用いて演習していきます。整理されていないデータや箇条書きの文章を、パラグラフを用いた文章に直していきながら、第二部で学んだポイントを実践に活かす練習をします。悪い文章と書き直し例が提示されていますので、伝わりにくい文章の問題点を自分でも指摘でき、書きなおしてみることで、パラグラフ・ライティングを深く理解することが出来ると思います。

 

この本は、日本語でパラグラフ・ライティングを学ぶ本で、英語のパラグラフ・ライティング本ではありません。ただ、英語のライティング参考書は、文例・表現集に多くのページが割かれていたり、文法の説明も混じっていたりして、効率よくパラグラフ・ライティングの基本のみを学べるとは限りません。日本語なのでサッと読めますし、パラグラフ・ライティングの基本を理解するのにとても良い本だと思います。

 

 

 

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英検1級リスニング

 

英検1級1次試験で、リスニングは113点中34点を占めます。合格者と受験者の平均点数の差は5−6点のようですので、合格/不合格の差はそれほど大きくないのではないかと思われるものの、リスニングが20点前後の方が安定して20点後半を取るのは難しく感じられるのではないでしょうか。

 

英検1級リスニングパートは会話文と一般文に分けられます。2012年第3回の試験問題も公開されていますので、ぜひリスニング問題を聞いてみてください。リスニング内容は、同僚との会話、旅先でのアクティビティの申し込み、グルテン不耐症、インタビューなど話題は多岐に渡ります。日頃から様々なリスニング素材を聞いておくことが大事ではないかと思います。

 

英検1級リスニング素材としては、英検ウェブサイトの過去問、英検サイトのめざせ1級!podcast英検1級リスニング問題150 (英検分野別ターゲット)2012年度版 英検1級 過去6回 全問題集 (旺文社英検書)などがありますが、これらの問題集を解くだけでは不十分です。過去問や問題集を解いただけで安心せず、他にも1級レベルのリスニングをたくさんするべきだと思います。

 

以前 リスニング素材レベルの参考に で紹介した、多聴多読ステーションの多聴素材難易度ガイド をもう一度紹介します。今回は、英検1級パートに的を絞って見てみます。

 

Screen Shot 2015-05-18 at 8.07.30 PM

縦軸が読みやすさレベル、横軸がリスニングレベルとなっています。この表からすると、ハリーポッターやダン・ブラウン等のオーディオブックは1級リスニング問題よりもレベルが上です。CNN News Updateや、NHK Online では1級パート1,3には力不足のようです。

 

BBC Global News  は、世界のニュースが1日2回30分程度のPodcastとして配信されますので、イギリス英語対策として聞くと良いと思います。

 

ダボス会議での緒方貞子さんのスピーチはYoutubeにアップされています。こちらのメッセージなど非常に聞き取りやすいのではないでしょうか。ビル・ゲイツのダボス会議スピーチはコチラです。声が甲高くてちょっと聞き取りにくいですね。ダボス会議の2013年Annual Meeting のビデオもチェックしてみてください。

 

オバマ大統領のスピーチビデオはコチラ、mp3 音声はコチラによくまとまっています。

 

こちらの表には載っていないのですが、ENGLISH JOURNAL  もオススメです。各国の俳優、著名人のインタビューは、雑多な情報を聞き取る訓練になります。この場合、”なんとなく分かる”ですませないことが大事です。English Journalは全てスクリプト付きですので、知らなかった単語やフレーズをチェックし、”内容が分かる”のみでなく、一語一句聞き取れるレベルのリスニング力をつけることが大事だと思います。

 

日本語ネイティブだからといって、国語テストで100点が取れるわけではないように、英検1級リスニングも全て聞き取れたからといって満点が取れるわけではありません。解答を選ぶ時間は10秒程度ですし、問題文は一回しか読まれませんので、聞き取れただけでなく、内容を覚え、10秒以内に解答も選ばなければなりません。”なんとなく”内容が分かる、時々聞き取れないレベルでは、取りこぼしが大きくなってしまうと思います。リスニングで安定して20点台後半を取るために、1級リスニングレベルであれば何でもきちんと聞き取れるよう、様々なリスニング素材に触れるよう心がけてみてはいかがでしょうか。

 

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ライティング:たくさん書くためのコツ

英検では英作文の配点が大きく、準一級では14点、1級では28点となっています。また、英語ライティングは英語資格試験に限らず、英語を使って仕事をする際は、レポート作成や emailでのやり取りなど重要な役割を果たします。英作文が上手になるためには、まずはたくさん書いて練習することが大事だと思います。そうは言っても何を書いていいか分からないし、時間もかかる。ついつい後回しに・・というパターンになりがちなのではないでしょうか。How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writingは、とにかくたくさん書くためのコツを紹介した本です。大学院生や大学教員を対象にした本ですが、英語学習者にも参考になる点がありますので紹介したいと思います。

 

なぜ書けないのか

How to Write a Lot  では、よくある”書けない言い訳”が挙げられています。

・書きたいけれども時間がない

・書く前にいろいろと調べなければ書けない。調べ物だけで手一杯で実際には書いていない。

・新しいパソコンがあったら書くんだけど。(プリンターがあったら。もうちょっと良い机とイスがあったら・・)

・書く気が起きない。インスピレーションが欲しい。

 

お馴染みの言い訳が並んでいますね。”時間がない”、は単なる言い訳にすぎません。時間はみつけるものではなく、自分で捻出するものです。 作者は、ライティングには持って生まれた才能や特殊な能力は要らない、と書いています。ほとんどの人は、ベストセラー小説や”全世界が泣いた!”系の文章を書く必要はなく、学校や仕事のレポート、大学での論文など実用的な文章が書ければ十分なのですから、あまり構えずに淡々と書く練習することが大事です。

 

たくさん書くためのコツ

たくさん書くためにはどうすればよいのでしょうか。一番大事なことは、書くための時間をあらかじめ確保し、スケジュールに従って書くことだそうです。時間があったら書く、書く気になったら書くというのでは、いつまでたっても時間は確保できません。試験のために勉強している英語学習者であれば、”ライティング強化月間”などと期間を決めて取り組むのもよいと思います。心理学者である著者は、書くことが仕事の一部でもあるので、平日の午前中を必ずライティングの時間として確保し、気分が乗ろうが乗るまいが必ず机に向かって書く作業を行なっているそうです。

 

また、ライティングの目標を立て、進捗具合をモニターすることも大事だそうです。「本で読んだ内容について書く」、「仕事内容を英語で説明してみる」、「英検ライティングトピックを1ヶ月で20個書く」など具体的な内容を目標にしたり、「1ヶ月で5000単語書く」と数値的な目標を立てるとよいと思います。進捗具合をモニターするには、表計算ソフトを使ったスプレッドシートが紹介されていますが、手帳に記録したり、以前こちらのブログで紹介した、WordOne – RookSoft アプリや、Daytum を利用するなど色々方法があると思います。やった/やらないを可視化すると効果的なようです。

 

著者がこの本で繰り返し述べているのは、とにかく書く時間をあらかじめ確保してスケジュールに従って書くこと。スケジュールを確保してしまえば、書く時間がないと悩む時間をライティングにあてられますし、毎日少しずつでもライティングプロジェクトを進めることが更なるモチベーションに繋がります。英語ライティングは一朝一夕には身につきませんので、ある程度まとまった時間をかけて練習する必要があるのではないでしょうか。

 

How to Write a Lot は、大学院生や教員がストレスなく論文やグラント申請を書くための方法論を紹介しています。あくまでも”たくさん書くためのコツ”であって、”より良く書くためのコツ”の本ではありません。まずは書かないことにはより良く書くことは出来ませんので、書くことが苦手な人が苦手意識と関係なく書く習慣を身につけるために読むといいと思います。1章〜3章まではアカデミックライティングだけではなく、一般的な書くためのコツが紹介されています。4章以降は論文を書くことを前提に書かれていますので、英語学習者は前半だけでも参考にするとよいのではないでしょうか。

 

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長文読解問題集の使い方について

先週は英検一次試験でしたね。受験された方、お疲れ様でした。英検準一級と一級は、問題を解くテクニックだけではなく、英語力そのものを上げないとなかなか合格しにくい試験だと思います。TOEICのように50点上がったことで進歩を感じられる、というような試験ではなく合否で結果が出ますので、何度受けてもなかなか合格出来ない場合、なおさら進歩を感じにくいのではないでしょうか。問題集を解くことを中心に英検対策をされている方で、まじめに時間をかけて何度も何冊も問題集をこなしているにもかかわらず、なかなか合格出来ないと悩んでいらっしゃる方の話を伺いました。独学で英検に挑戦されている方で、同じような悩みを抱える方も多いと思いますので、その方の問題点について一緒に考えたこと、私が進歩を感じられた学習法について書きたいと思います。

 

うまくいかなかった時の勉強法

英検対策本は、過去問、読解問題集、リスニング対策本、単語集などがあります。まずは単語集を何度も回して単語を覚えつつ、読解問題を何度も解くやり方で学習されている方が多いように見受けられます。問題集を何冊も何十回もやったにもかかわらず合格出来ないのであれば、さらに回数をこなそう!という結論に至る前に、問題集の使い方について考えたほうがよいと思います。

私も、英語学習が軌道に乗る前は、英検準一級対策本を使って勉強をしていました。その時の勉強法は、

読解問題を1問解く

答え合わせをする

日本語解説を読んで”フ~ン”と納得する。

分からなかった単語に目を通す

もう一度本文を読んだら次の問題にうつる

 といった感じでした。ところが、しばらくして過去に解いた問題をやり直しても、読解力自体が上がった実感は得られませんでした。もともと英語力があるならば、試験前に問題集をサラっとやるくらいで合格出来ると思いますが、英語力自体がないのに問題集を通りいっぺん解くのを繰り返しても、英語力は上がらないだろうと思います。自分のやり方を振り返って、特に良くなかったと思うのは、日本語解説を読んで分かったような気になることでした。自分にとっては難しめの長文でも、一度日本語で解説を読んで意味が分かってしまうと読めた気になってしまいます。そしていつまでたっても初めての長文に対する理解度は上がらないままでした。

 

効果を感じられた勉強法

逆に、効果を感じられた勉強法は、音源つきの長文を何度も読み、聞き、シャドーイングして、日本語解説を読まずに理解できるところまで自分でやったことでした。素材はなんでもいいと思いますが、必ず音源があるものを選びました。そして、

英文を何回か読んで意味の把握につとめる

新出単語をピックアップして意味を調べる

意味が分かるまで英文を読み込む

音源を聞き、文字と音が一致するまで聞く。だいたい30回くらい。

音源と一緒にシャドーイングする。よどみなくスラスラ言葉が出るまでを目安に。

音源なしで音読してスラスラ言葉が出るようになるまで練習する。

  時間がかかるので、1ヶ月で10個ほどの長文しか扱えませんでしたが、文字と音声を一致させること、出てきた新出単語は完全に覚えること、日本語解説に頼らず英文を読めることを目標にすることで、時間の経過とともに英文が格段に読みやすくなりました。どうしても分からない文章などは、オンライン英会話の先生に聞き、分かりやすい表現で言い換えてもらいました。この時も、この記事自体が分からないので説明して、と他力本願にならないよう、本当に分からないセンテンスのみを質問するよう心がけました。

 

うまくいかなかった時との違い

問題集が軌道にのらなかった時の学習方法は、”受け身”の学習法でした。解説に頼ってわかったような気になり、二回目、三回目も同じように問題を解き、解説を読むだけで終わってしまうことを繰り返していました。根気がある方であればなおさら繰り返してしまうのではないかと思います。市販の問題集を使おうが、ネットで自分で素材を見つけようが方法は問いませんが、読んで意味が分かるだけでなく、聞いてもわかる、スラスラ読めるようになるまで消化することが大事だったのではないかと思います。

 

もし今までの勉強法で長文読解力がなかなか上がらないと悩んでいらっしゃるのであれば、日本語解説を読んで表面的に分かったつもりになっていないか考えてみるとよいかもしれません。

 

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【ブックレビュー】 17歳のための世界と日本の見方

“17歳のための” とありますが、大人こそ是非知っておきたい世界史と日本史がまとめてわかる良書です。英語の本や記事を読む時、歴史背景や宗教の基礎知識がないために苦労されたことがあるのではないでしょうか。いつか世界史をやり直さねば・・と思ってはいても、高校の教科書や参考書を読み直したり、歴史書を読むのは大変ですよね。17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義は、大学生を対象とした、「人間と文化」という授業から書き起こされたもので、宗教を軸に、世界と日本のことが話し言葉でわかりやすくまとめられた本です。

 

歴史や宗教の基礎知識があると、英文記事がずいぶん読みやすくなります。私は英検1級1次試験でイスラエルのシオニズム運動のことが出題された時、ちょうどユダヤ教に関する本を読んでいた頃だったので、トピックや英文自体の難しさに圧倒されることなく、落ち着いて内容把握が出来た経験があり、日頃から多種多様な記事に触れ、基礎知識を仕入れることが大事だと感じました。試験だけではなく、日頃新聞や本を読む上でも、理解を深める助けになります。

 

私達が中学・高校で学んだ歴史は、世界史・日本史に科目が分かれていたうえ、各地域・年代ごとに分断され、なかなか全体像がつかみにくいものでした。この本では、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の成り立ち、関係性を歴史の流れとともに学ぶことができ、これまで断片的だった知識が繋がり、歴史をストーリーとして理解することができます。また、ユダヤ教のなかからどのようにしてキリスト教が生まれ、その後各国の指導者とともに各宗派の興亡があり、どのようにして現代につながっていったのか、も興味深い話でした。

 

世界史だけでなく、日本の成り立ちについても詳しく触れられています。古事記・日本書紀に記されている日本のなりたちや、仏教と神道が同時に受け入れられてきた背景、和歌などの日本文化の由来などについての記述を読むことで、これまで曖昧だった知識がすっきり整理されました。外国人に日本の文化を説明する時に役に立つ知識だと思います。

 

300ページちょっとの口語で書かれた本でとても読みやすいのでオススメです。きっと今後の英語記事読解に役立つことと思います。

 

 

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無料で英作文レベルチェックを受けてみよう

自分の書いた英作文のレベルを知りたいと思ったことはありませんか?今回は、英文をコピペするだけで自動的に英作文のレベルを評価してくれるサイト、Paper Rater を紹介します。

 

Paper Rater.com で出来ること

Paper Rater.com は無料で、面倒な登録や、特殊なソフトのダウンロードなども必要ありません。Paper Rater.com で出来ることは、

1.盗作チェック

公表されている他の文章から適当に切り貼りして盗ってきた文章かどうかをチェックします。英借文をしている人は、知らず知らずのうちに”盗作レベル”とみなされる程、パクっていないかチェックするとよいのではないでしょうか。

 

2. レベル評価

スペリング、文法、ワードチョイス、スタイルなどから自動的にレベル評価を行い、A, B, C 評価が分かります。

 

3.スペリング・グラマーチェック

スペリングミスは赤色、グラマーミスは緑色でハイライトされます。

 

4.使用した語彙レベルのチェック

洗練された語彙、学年相応の語彙を使用しているかどうかチェックされます。

 

5.学年、ライティングのタイプが選べる

残念ながら小学生レベル以下の作文は対象ではありませんが、6年生から博士課程レベルまで、自分でレベルを選ぶことができます。また、作文タイプもエッセイ、ブックレポート、プレゼンテーションなど、様々なタイプから選ぶことができます。ただし、email/letter など、評価対象にならないタイプの文章もありますので、もし自分が選んだ項目で評価が出来なければ、エッセイなどを選び直してもよいでしょう。同じ素材でのやり直しが可能です。

 

実際の使い方

まずは画面を開いて、Use Now Free! ボタンを押しましょう。

 

タイトルと本文は必須です。Works Citedは、アカデミックペーパーなどの引用文献がある場合でなければ不要です。

 

Select the education level of this paper’s authorは本来、自分の学歴を選ぶものだと思いますが、評価されたい文章に合わせて、6th grade から博士課程まで自由に選ぶと良いと思います。

Select the type of paper you are submitting も必須項目です。email などタイプによっては評価対象とならないものもあります。色々と試してみて下さい。

Originality detection はオプションです。選ぶと結果表示が遅くなると書かれていますが、選んだ場合でも1分以内に結果が出ました。

 

必須項目を全て入力したら、Get Report ボタンを押し、結果を待ちます。こちらが評価項目です。項目をクリックしてください。

こちらはPlagiarism Detectionの項目です。長い文章を拝借してくると、オリジナリティのレベルが下がるようです。

 

Word Choiceでは、Bad Phrase Score が表示されます。こちらは不適切な語彙やフレーズが使用されていないかチェックされます。スコアは低いほうがよいようです。

 

Vocabulary Wordsでは、ボキャブラリレベルが評価されます。私が書いた2つの文章の結果を比べてみました。最初のほうは、Academic paper 用にきちんと書き、博士課程レベルを選んで評価してもらった文章です。次はカジュアルに書いた日記で中学3年レベルを選び、エッセイとして評価したもの。簡単な語彙やフレーズばかり使ったためか、スコア0でした…。

 

さて、気になるレベル評価です。以前コチラで書いた英文を評価してみました。

先ほどWord Choice でダメダメ評価を受けた日記は、スペル・グラマーミスはなかったものの、評価はCでした。使用語彙のレベルの低さが影響しているのでしょう。

 

無料で何度でも利用できますので、気軽に試されてみてはいかがでしょうか。自信作がC判定でも気を落とさないでください! ”所詮は機械判定。機械に私の文章の素晴らしさは分かるまい…” と開き直って英作文の練習を続けましょう!!

 

 

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【ブックレビュー】英語パラグラフ・ライティング講座

”パラグラフ・ライティング” という言葉をご存知でしょうか? 1つのパラグラフには、1つのポイント、アイデア、または意見を述べるという決まりです。日本語でいう、”段落” とは違いますので、英語でまとまった文章を書く際には必ず知っておきたいルールです。

1文1文は文法的に正しいのに、なぜ伝わる文章が書けないのでしょうか。日本語で考えた文章をそのまま英語に訳しても、意図を伝えることは出来ません。英語で文章を書く際には、英語のルールに則って書くことが期待されます。英語圏で教育を受けた人は、小学校低学年の頃から、英作文の型を徹底して習っているそうです。英語パラグラフ・ライティング講座 では、作文を書き始める前段階として、情報の整理の仕方から始まり、構成の仕方、実際の書き方・テクニックを学ぶことが出来ます。では、この本の内容を順を追って紹介します。

準備編 パラグラフとは何か

準備編は、”パラグラフとは何か”という部分から始まります。パラグラフは、1つの内容を表すTopicがあり、Topic sentenceでmain idea を簡潔に表し、Detail sentencesでtopic をより具体的に説明・展開する一連の流れからなります。日本語では一つの段落の中に色々なアイデアが混在していても違和感はありませんが、英語のパラグラフでは、1つのパラグラフには1つのアイデア、というルールが徹底されています。また、意見を展開する順序も決まっています。

”1つのアイデア” の概念も、思っていたよりも随分厳しいものです。情報の整理ではまず、単語のグループ分けの練習から始めます。例えば、South America, Arctic, Middle East, North America, Eurasia, Africa, Antarctica, Southeast Asia を2つのグループに分ける演習問題を解きながら、厳密な言葉の分類法を学びます。

次に、主観/客観の分類法では、ニュースなどで得た情報と、自分の意見を混同せずに整理する方法を学びます。主観による文章と客観的な事実が書かれた文章を分類する演習問題を解くことで、この2つをしっかり区別することが出来るようになっています。

 

実践編 構成の仕方

実践編では、Topicの選び方、Topic sentenceで言うべきこと、Detailed sentencesの展開の仕方を学びます。Topicを選ぶ際には、なるべく焦点を絞り、パラグラフとしてまとまりやすいトピックを選ぶ練習をします。Topic sentenceでは、トピックの内容を的確・簡潔に総括している文章を書きます。このチャプターでは、いくつかの文章が挙げられ、どの文章がトピックセンテンスとしてふさわしいかと選ぶ練習をします。Detailed sentencesでは、さらに詳細にアイデアを説明していくのですが、パラグラフ内の文章がすべて連結していなければなりません。Detailed sentenceには、決まった順序があり、空間上の位置、時間の流れ、概要と詳細、重要度の4つに分けて文章を書く練習をします。

応用編 論理と技術

応用編では、いくつかのトピックについて、準備編・実践編で学んだことを踏まえながら、実際に自分で英作文を書きます。プレインイングリッシュ10カ条という、作者によるライティングルールも紹介されています。この本での演習を終えた後も、このルールを意識して英作文を書くとよいのではないかと思います。

 

感想

トピック→トピック・センテンス→サポートアイデア→結論、の順序を頭では分かっていても、実際に書くとなると、スムーズな流れで論理的な文章を書くのは難しいです。英検1級エッセイ準備のため、ネイティブ添削を受けた時によく注意されたのが、

・情報と自分の意見を混ぜて書かないこと

・Off topic! トピックとは関係ない事を書いている

・結論で新しい事を言わない

でした。そうは言われても、自分ではトピックに関連している事しか書いていないつもりでしたし、自分の意見を言って何が悪い、結論で解決策を提示するのが何でいけないの? と疑問に思っていました。”ニュースで知った情報と自分の意見が混じり合った文章を書いてはいけない”、と注意されても、なぜ自分の意見を言ってはならないのか、ということが分からなかったのですが、この本を読むことで、意見を言うことが悪いのではなく、自分で考えた意見なのか、どこかで得た情報なのかを区別せずに書いていた事を指摘されていたのだということに気付きました。ネイティブの”パラグラフ・ライティングルール”は、思っていたよりもずっと厳しいということがわかりました。

ネイティブ添削者の質も様々で、冠詞間違いや、ナチュラルでない表現を直すだけで、ライティングルールについては何も言わない人もいます。添削者自身がどの程度のライティング教育を受けたかによるのかもしれません。ネイティブチェックを受けたから大丈夫!と安心せず、パラグラフ・ライティングのルールについて学び、ある程度は英語ライティングの型に沿った書き方を自分で実践できるようにしたほうがよいのではないかと思います。

この本は、英語で1文1文を書ける段階の人が対象となっています。英文ライティングについて学ぶのは初めて、という方は、英語ライティング講座入門 で、まずは1文を書く練習からから始めるとよいのではないでしょうか。

 

 

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