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4月 2011 archive

ブックレビュー 英語の壁に挑んだ12人の日本人

英語のバカヤロー! ~「英語の壁」に挑んだ12人の日本人~

世界で活躍する日本人研究者がいかにして英語の壁に挑んだのか。”英語学習の先にあるもの”について考えるきっかけを与えてくれる本です。

養老孟司、竹中平蔵、上野千鶴子、坂東眞理子、浅野史郎、明石康、中村修二、本川達雄、酒井啓子、松沢哲郎、古川聡、福島孝徳氏ら12人の専門家の英語に対する取り組み、体験談が語られています。皆さん大人になってから英語圏に留学されたり、海外で仕事をされて英語に苦労されたとか。専門家として立派な仕事をされている方でも、若い頃は英語で苦しみ、その分野で存在感を示すために大変な努力をされたようです。

この本が素晴らしいと思った点が二つあります。一つ目は単なる語学学習本や学習法指南書と違い、英語観のみならず一流の専門家の仕事観、人生観までもが語られていること。しかも12人分です。それぞれの分野で必要とされる語学のレベルも違いますし、どこを拠点として働いているかも様々。12人12色の意見を知ることが出来ます。

 

二つ目は、英語が専門でない方々の意見であるという点。世界に向けて伝えたい内容があり、世界中の人々と仕事をするために英語が必要で、そのために英語を勉強した方々の体験を元にしたアドバイスなのです。詳しい勉強法も書かれていませんし、ましてやTOEICや英検などの試験英語にも触れられていません。ただ、普段私たちが日本で英語学習をしているだけでは知ることのできない、実践で必要とされるレベルや、学習の方向性といった大局的な見地を教えてくださいます。英語を教える事を生業としている方が書かれた語学指南書はたくさんありますが、この本のように一流の専門家がご自身の英語について語ったものがまとめられて出版されるということはあまりないと思います。

特に印象に残ったのが上野千鶴子氏の

英語で発信しなければ「存在しない」に等しい

という言葉。日本ローカルな独自の状況を世界に発信することにこそ、グローバルな意味があると。

 

読後に強く感じたのは、表面的な英語力を磨くのに夢中になって言うべき中身がなくては意味がないし、いくら素晴らしい中身を持っていても、表現手段がなければ多くの人に伝わらない、ということです。学問としての英語に拘りすぎることなく、英語を使って何をするかを考えなくてはなりません。

 

この本の内容の一部はenagoという英語論文校正サービスのHPで読むことが出来ます。7名の方達のインタビューを要約したもので、これだけでも読み応えがあります。本ではさらに詳しく書かれていますので、こちらの記事で興味をもたれた方は一読することをお勧めします。私は英語学習のモチベーションアップどころか、仕事への闘志も湧きました!

 

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