前回、オーディオブックで英語学習 で、オーディオブックリスニングの良い点をお伝えしました。今回は、オーディオブックリスニングに必要なスキルについて考えてみます。
1. 返り読みしないで読む
オーディオブックは待ってくれません。左から右へ、流れるように朗読されていきます。普段無意識にでも、主語→目的語→動詞・・・など、漢文のレ点のように返り読みする癖がある方は、英文を頭から順に読む練習をしましょう。もし、自分が返り読みをしている自覚がない時は、定規や指を使って先の文章を隠しながら読む練習をするとよいと思います。私は洋書を読む練習を始めたころ、小学校1年生のように指でなぞりながら読みました。多読やオーディオブックリスニングを目的とする場合は、文法や構文理解などのことは全く考えず、物語の内容に集中しましょう。
2.わからない単語があっても思考停止しない
オーディオブックを聞く際は、どうしても分からない単語が、ある一定の割合で出てきます。そういった単語が耳に入った途端、”アレ?”と集中力が途切れて、それから後は全く音が耳に入ってこなくなる・・という経験はありませんか? 8-9割の単語がわかるレベルのオーディオブックを選んでいれば、時々出てくる未知単語を飛ばしても、十分ストーリーは理解出来ます。その1単語がわからなくても状況から推測できますし、本当に難しい単語や場面なら、すぐ後に言い換えや状況説明の文章が出てくるからです。1−2割の未知単語が混じっているがために全体が聞きとれない方は、オーディオブックを始める前に、簡単なレベルのリーディングで、分からない単語を無視、あるいは推測しながら読む練習をすると良いです。また、”理解できる”レベルの単語は、音とセットで覚えていることは大前提です。新しい単語が出てきたら、必ず発音記号や音の出る辞書で確認しましょう!自己流の理解で、勘違い音読などを繰り返すのは時間が勿体無いです。
リスニングで分からない単語があっても、そこで意識を止めずに、先を聞くことを心がけてください。ただ、この方法はあまりにも知らない単語が多すぎる場合は有効ではありませんので、その場合は、自分のレベルに合ったリスニング素材を探すか、基本単語3,000語程度を先に覚えたほうが効率が良いのではないでしょうか。
3.和訳はしない。イメージで理解する!
オーディオブックは、遅くても160語/分、だいたい180語/分〜200語/分程度で読まれていますので、いちいち頭の中で日本語を確認するヒマはありません。耳から聞こえた文章を脳内でイメージする感覚です。普段は、そのイメージングさえ意識していませんが、日本語が介在していないことは確かです。また、オーディオブックに慣れないうちは、180語/分で読めない本を耳だけで聞いて理解するのは難しいと思います。ある程度スラスラと読めるレベルの本を選びましょう。日本語を介さずに理解する、というのもいきなりは出来ませんので、これも簡単な本を読むところから訓練するとよいのではないかと思います。
オーディオブックを聴きはじめた頃は、10分でも続けて聞くのが辛い、といった声をよく聞きます。これは、耳から聞いた言葉がうまく理解出来ずにモヤがかかっているような状態なのではないかと思います。これが、日本語を介さずラクに理解出来るようになると、数時間続けて聞くのも全く苦にならなくなりますし、数分しかない試験のリスニングで集中力が途切れることもなくなります。
このような状態になる頃には、時々分からない単語が出てくるけれども、それ以外はくっきり聴き取れる状態だと思います。もしそうでなければ、リスニング素材のレベルを落とす、または字面と音のすり合わせがきっちり出来ている状態かどうかを確認してみてください。今までなぁなぁに読んでいて、単語に間違った読みの”ルビ”などをふっていた場合などは、面倒でも正しい音で読めるよう、音源つきの読み物などで地道に音に慣れましょう。
まとめ
☆ 返り読みせずに頭から順に読んで理解できる。
☆ 分からない単語があっても、慌てずに聴き続けることが出来、意味を推測できる。
☆ 日本語を介さずにイメージで理解出来る。
オーディオブックリスニングに必要なスキルは、多読で得られる効果と重なる部分が多いです。リスニングが苦手であれば、問題集などのリスニング素材を集中して繰り返し聞く、といった方法を思いつきがちですが、リスニングの問題点は読めないことにある、ということを考えれば、今までと違ったアプローチを取る必要があるかもしれません。
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