今回は前回に引き続き、英文解釈のための書籍をご紹介します。
前回ご紹介したものをやってしまえば基本的な考え方は身に付くので、実際の色々な英文に触れていっていただく方が楽しいと思いますが、系統立てたものを学習していきたいというお声もいただきましたので前回よりも少し難易度の高いものをご紹介します。
※便宜上、中上級と表現しましたが、英検準1級〜1級を目指すレベルと考えてください。
ポレポレ英文読解プロセス50
こちらは代ゼミの人気講師である西先生の著作です。
ポレポレとはスワヒリ語で「ゆっくり」という意味で、西先生がアフリカに行った際に色々と感じられたことから受験勉強の中でも心のゆとりを持って欲しいという思いで付けられたそうです。本文中にもアフリカの動物の挿絵などが入っていて、本文と全く関係のないダチョウやチーターの絵が目に飛び込んできますが気にせず進めてください。
とにかく説明が丁寧です。詳細な説明に加え、文の構造も矢印やカッコを使って目で見て理解することができます。
大学入試問題から抜粋しており、前後の文章が割愛されているものもありますが、その点については解説で補足されています。
また、大学入試対策ということもあり訳出にこだわっている部分も感じるので、ご自身の学習目標に日本語訳があまり関係のない方は正しく文章を理解できているかを確認する程度の訳出で良いと思います。
この句はこの語にかかるのか…と構造を見ているとついつい返り読みしてしまうので、構造を理解してから文章を語順で理解していくことを意識して最初から読み直すようにした方が良いです。
例題50問で130ページというとても薄い書籍なので取り組みやすいかもしれません。
英文解釈の技術100
こちらは、入門、基礎を含めた三部作になっているものの難関、最難関大向けのものです。
タイトル通り、英文解釈をする上でのポイントが100個挙げられており、その一つ一つが見開き2ページで説明されています。前述のポレポレのように手取り足取りの解説ではありませんが、見開き2ページの中に例文、解法、全文訳、演習問題、語句説明を盛り込むためには多少簡潔な解説になっても仕方ないかもしれません。しかし全体的にとても見やすくなっているので学習は進めやすいと思います。
「出題者がいかにも”解いてみよ”といわんばかりの下線部です。それなら”出題者の鼻をあかしてみる”つもりで挑戦するのも一興です。」などと2ページに収めなければならない中、ニ行も使ってハッパをかけてくれたりもします。
文章の構造を説明しているところでは、語順で理解していくよう読み下しの訳がついています。
CDが付いていて本文が収録されています。また、見開き例文では解法のポイントとなる単語が太字になっていますが、下線も太字もない文章が巻末に付いているので、それを見ながら意味を把握したり、CDの音声のみで意味を理解できるか確認しながら復習できます。
返り読み防止として、音声だけで理解していく練習はとても有効ですね。
もう少し難易度の高いもの
上記よりも難易度が上がると、英文解釈教室や英文解釈考、思考訓練の場としての英文解釈などがありますが、この段階まで来れば読めるものは色々とあると思うので、自分の好きなものを読んでいく方が楽しいのではないか…というのが個人的な意見です。
正確に読み取る系統立てられた訓練がしたい、英語を教える仕事をしたいなどという場合はお試しください。
英検1級対策として、Timeなどを理解できているのかできていないのか微妙な感じのまま読み続けるのであれば、英文解釈教室あたりを集中して取り組んでみるのもいいかもしれません。ただ、試験では決められた時間内にある程度の量を読む必要があるので、じっくりゆっくり正確に読むことだけに気を取られないように気を付けてくださいね。
ちなみにAmazonではこの3冊は「マニア向け」とタグが付いてます…。
[ad#blogmura]