今日は、精読に関する記事の2回目。(第一回・なぜ「精読」か?はこちらです)
精読をする際に、もっとも力を入れて確認したい文法事項を紹介したいと思います。
辞書だけでは問題解決しない
分からない一文に出会ったとき。まずは、単語の意味を確認されると思います。それで文の意味が理解できれば一件落着なのですが、単語の意味がわかっても文の意味がしっくりこないときがありませんか?
学生の定期テストではないのだから、「正確な和訳ができる」というところまでは求めません。ただ、文の意味がぼんやりしていて、なんとなくしかわかっていない・・・そんな状態があるのではないでしょうか。
もちろん、その前後の文章で意味を想像し、足りない情報を補う力をつけることも大切です。試験では、その文章にさける時間も限られています。また試験うんぬんを抜きにしても、いつまでもつまずいた一文にじっくり時間をとって読むというスタイルを続けていくのは現実的ではありません。
前回の繰り返しになりますが、精読(=文法事項を確認して読む作業)は、いずれスラスラ読めるようになるための作業です。そのために、「え、こんな作業を?」とギョッとされるような(一見、文法偏重な)ことを書きますが、「次にもっと難解な文章を読めるようになるため」のステップとして、ご理解いただければと思います。
魔法の文法事項 ~これさえ分かれば文意が取れる~
いささかセンセーショナルな書き方になりますが、文を読むときにもっとも気にしてほしい文法事項は一つです。
それは・・・動詞(述語動詞)を探すことです。
どんな短くて簡単な一文であれ、英字新聞記事に出てくるような数行に渡る長い一文であれ、文の中には、主語に対応する述語動詞が含まれています。文が長くなればなるほど、動詞を見つける作業は難しくなります。そして、文の述語動詞がわからないということは、そのまま「文の構造が分からない」、「文の意味が取れない」に直結します。
いくつか実際の英文を挙げてみます。
1. I know him.
2. I understood what she said.
3. What she said at that party is true.
4. What she said at the party surprised all the guests.
5. What she told us about her new job made me feel very envious.
すべての文の述語動詞が分かりましたか?
(答:1. know 2. understood 3. is 4. surprised 5. made )
【ミニ解説】
1は主語・動詞・目的語が一語ずつのシンプルな文でした。
2になると動詞が二つありますが、目的語のかたまりのほうが長いので、3と比べて理解しやすいです。
4は、3からの流れでwhatの節が主語になると念頭に入れていれば解きやすいです。surpriseを動詞として使う場面に出会っていない(be surprisedのほうしか見ていない)と解きにくいかもしれません。
5は、あやしいものが3つ出てきます。makeを使役動詞として使う時のルールを理解している必要があります。
いかがでしたか?全問正解できたでしょうか。5でもかなり長い印象を受けますが、英字新聞などの文章の中では、主語・目的語部分が数行に渡ることもザラで、構造を見誤ると、意味がとれないことが多々あります。
この述語動詞を見つける作業を、(今回のような)単独の文で行うのでなく、実際の文章の中で行うことが大切です。
まとめ
精読をする際には、その文の(述語)動詞が何なのか、必ずさがして読む。述語動詞を見つけることで文の構造がわかり、文の意味が理解できるのである。
次回も引き続き、文を読むために役立つ文法事項を紹介したいと思います。