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英語を英語のまま理解するということ

英語を英語のまま理解することが大事と言われるけれど、果たして自分が実践出来ているか確認する手段はあるのでしょうか。
きっと多くの人は”自分はきっとできている”と思うか、どういうことなのか抽象的すぎて分からないのではないかと思います。

かく言う自分もリーディングの時は頭の中で日本語への訳語が無意識に出てきたりして、なかなか英語を英語のままに、という意味が長らく分かりませんでした。それでも多読、多聴を続けていくうちに、英語を英語のまま理解出来た! と思えたエピソードが2つあります。一つはリーディングで、一つはリスニングで。

 

リーディングでのエピソード

多読を始めて半年ほどたったころ。子供用の絵本ばかりではつまらないので、小学生むけの小説と交互に読んでいました。絵本は文字数も少ないし、構文も単純なので楽に読めるのだけれど、なかなか満足感が得られませんでした。それでも頭から文章を読み、返り読みしない、という練習にはなっていたと思います。
英語を英語のまま読んでいると実感できたのは、夢中になれたシリーズが出てきたとき。
それはDarren Shan Cirque du Freak (The Saga of Darren Shan No.1)の吸血鬼シリーズでした。(私が特に吸血鬼モノが好きなだけで、他の方はダレン・シャンである必要はないと思います。)これは12冊シリーズで、小学4年生~中一くらいが対象。日本語だったら子供向けの吸血鬼シリーズなんて絶対読まないのだけれど、なんとなく読み始めたら面白くて止まらなくなって、睡眠時間を削って読みました。気づけば1ヶ月立たないうちに12冊全て読了。先が読みたくてすごい勢いで1ヶ月で50万語ほど読みました。

この時は物語に引き込まれて、日本語に訳している暇もなく目がどんどん先へ先へと流れていきました。これが始めて、英語を英語のまま理解していると感じた瞬間でした。スピード感が全く違う。分からない単語があっても気にならないし、その時は知らなかったdawn、dusk、coffin, impaleなどの新出単語も文意から正しく理解できているという自信もありました。

 

これをきっかけに、今まで出来ていると思っていた”返り読みをしない、英語を英語のまま理解する”という意味が身をもってわかりました。難しい素材をゆっくり丁寧に読んでいると、どうしても無意識のうちに頭の中で英語→日本語に置き換わってしまいます。やさしい素材を大量に素早く読むことで、無意識に日本語が介入する隙をなくし、英語のままイメージで理解することが出来るようになったのです。

 

リスニングでのエピソード

オーディオブックリスニングをしていた時のこと。聞き読みはせず、耳だけでわかるレベルのものを選んでいました。この時聞いていたのはAlex Riderのシリーズ Stormbreaker (Alex Rider Adventure)。これも小学校高学年~中学生くらいを対象にしたオーディオブック。 その中でleftangular と聞こえる単語に出会いました。はっきりとした意味はわからないけれども、これは建物の形をあらわしていると理解しました。

ただ、こんな形の建物は一般的ではないので、おかしいなぁとは思っていました。気になり出せばこのleftangular と聞こえる単語、あちこちのオーディオブックに出てきます。そのたびに左側が尖った三角をイメージ。日本語でこの形に相応する言葉はないので、leftangularと聞こえるたびにこの形が頭の中で浮かびました。

しばらくして精読をしている時にrectangularという単語に出会いました。長方形という意味の単語。これだったんだ!と納得。LとR、CとFを聞き間違えていたのでした。ただ、この聞き間違えのおかげで、オーディオブックリスニング中の間、日本語を介さずに脳内イメージで英語を理解していることが確認できました。オーディオブックなど、ある一定の早さ、長さでどんどん物語が進む教材では、いちいち頭の中で日本語に訳したり、”あれ、今の何だっけ?”と考えている暇はありません。どんどん音声が流れるままに頭の中でイメージし、英語だけで理解しないと文脈が理解できません。

 
 

二つの経験から気づいたこと

英語を英語のまま理解できるようになったのは、間違いなく、やさしい教材をたくさん読み聞きし、順にステップアップしたおかげです。難しい教材をチビチビと時間をかけて学ぶ。それだけでは日本語直訳の癖がついてしまい、英語を英語のまま理解するという実感を得るのは難しいと思います。英語のまま頭の中でイメージが出来るようになると、読んで理解できるスピードが格段に早くなります。また理解のスピードが上がることでリスニングも楽になります。この感覚をつかむためにも、やさしい英語の本をたくさん読んだり聞いたりして、日本語の本を読んでいるのと同じ感覚でイメージ出来るようになる感覚を経験することをお勧めします。

多読と精読

 

リーディングを伸ばすためには精読がいいか、多読がいいか。英語学習を始めたばかりの頃、いったいどちらに重点をおけばいいのでしょうか。

この二つはどちらが優れた方法か、という上下関係にあるのではなく、それぞれが効率的に英語を学ぶための要素を持っています。学校英語では大学受験に対応するために、少ない授業時間で多読を用いる時間的余裕などなく、精読、特に英文和訳に偏っていました。しかし、英語を英語のまま理解し、多種多様な文章をスピーディに理解するためには、易しい文章を多量に読むことも重要です。そのためには精読、多読それぞれ目的にあった読み方を意識して、自分にあったバランスで双方の良いところを取り入れると良いのではないでしょうか。

 
 

精読の目的

精読の目的は文法の理解、新出語彙の獲得にあります。中高の英語の授業で習ったように、難易度の高い文章の構文や文法を考えながら、丁寧に意味を考えていきます。文法書を併用し、主語・述語、時制、関係代名詞、倒置など、文章の構造を正しく理解しながら読むことが重要です。この作業を怠るといつまでたっても、リスニングが出来ない、正しい文章が書けない、などの弊害が出てきます。時間はかかりますが、英語学習初期のころは特にこの作業に一定の時間を取るべきです。

初級者は、市販の問題集やテキストなど解答・解説があるものを選んだほうが無難です。中級以降になって大まかな文法が理解できるようであれば、生の教材を使って多くの記事を読んでみてください。

 

多読の目的

多読の目的は、とにかくたくさんの英文を読み、精読で学んだ知識を定着させることにあります。また、あまり難しいことを考えず、ただ単に読書を楽しむだけでもOKです。精読と違い、多読の時は分からない単語にあたっても辞書をひかず、推測しながら読むことが大事です。いちいち辞書を引いていたのでは、読書量を確保できなくなり多読の効用が薄れます。分からない部分は推測する、または飛ばしても理解できる難易度の本を選ぶことが多読を無理なく続けるコツです。

多読をする上で気をつけなければいけないのは、文章を頭から順に読んでいくことです。漢文のようにレ点をつけつつ文章を行ったり戻ったりしてはいけません。そのような癖をつけるとリスニングができなくなります。文章を書かれた順に頭から理解しつつ、情景をイメージしながら読むよう心がけます。最初は苦痛かもしれませんが、自分のレベルよりも易しい素材を選ぶことで、意識せずとも読めるようになります。

まとめ

精読ばかり、多読ばかりと偏らず、レベルに応じてバランス良く両方を取り入れる必要があります。学習初期の頃は精読を多めに、慣れてきたらだんだんと多読を増やし、最終的には精読2:多読8くらいの時間配分を心がけてみてはいかがでしょうか。

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