「英語に関わっている(勉強している/仕事にしている)人は、前向きな人が多い」
そう言いきってしまっては、あまりに話を単純化しすぎでしょうか?
先日、英語講師、通訳・翻訳の方々と一同に会する機会がありました。
今までも、ネットを通じて英語学習者の方、お仕事にされている方とずっと交流させていただいてきて、皆さんの前向きさ、英語に対する真摯な姿勢に触れ、幾度となくやる気を頂いてきました。
そして、今回そのような方々と直接お話をさせていただいて、自分の仮説が間違いではなかったと確信したのです。
「なぜ前向きになれるのか」
今日はそのことについて、お話ししてみたいと思います。
満たされない気持ちがあっても、行動に移せなかった
少し自分のことを振り返らせてください。
私自身、最初の仕事は、英語とは全く関係のない職種に就いています。
就職活動の際、「好きな英語を活かしたい」「自分の中で一番得意なものは英語だ」、そのような気持ちがありながら、行動に移すことはできませんでした。
客観的な指標として、資格のことを挙げてお話しさせていただきます。
その時持っていたのは、英検2級。
TOEICの点数はそれなりにありましたが、典型的な「点数だけで話せない」タイプ。今思えば、自分が当時イメージしていたような「英語専門で食べていく」人になるためのレベルには全く足りていませんでした。
それなのに、「そこそこできる」と思い、でも「それを活かせる場がない」と悶々としていたのです。
その時のことを思い出すと、今でも胸が苦しくなります。
認められない不満、だからといって何をしたらいいのか分からない焦燥感。
じりじりと自堕落なことを繰り返しながら、数年の月日を過ごしました。
自信を積み重ねるしかない
詳しくは書けませんが、自暴自棄も限界を越えて、もう行きつくところまで行きついた。そこから私のやり直し英語が始まりました。
当時の英検2級からさらに上位級へ、そして、今度は別の資格へ。
要領は決して良くないので、間があいたり、ひとつのステップに時間がかかったり、この期間10年以上になりますが、今もこうして英語を続けることができ、おかげさまで自分の理想とする「英語専門で食べていく人」に近付きつつあります。
先ほどから、資格資格とそればかりの話になっていますが、一つの試験の合格というのは、ある意味一瞬の「点」でしかありません。
その合格を手に入れるまで、毎日無数の小さなことを達成、「成功」を積み重ねること。
本当にそれを毎日毎日繰り返していた。それだけでした。
「こないだ見た単語が、今日やった長文にも出てきた(そして意味が分かった)」
「”あの文法事項だ!”と気づくことができて、正確に訳をすることができた」
ちゃんと覚えられる。ちゃんとできる。
そうやって、ひとつひとつ自信を積み重ねたことで、いつしか「自分が挑戦したことは必ず実現することができる」、そのように感じられるようになったのです。
誰のための自信か
資格の話をここまで出したので、せっかくなので突き詰めて書きます。
「○級を持っているから、自信満々でいられるんだよ」
逆に、「○級ぐらいで、よくそこまで自信を持っていられるね?」
そのように思われるかもしれません。
結果として今手にしている資格に対して、誇りをもっていないとは言いません。自分が頑張ったことを認めてもらえた「メダル」のようなものなので、資格なんてどうでもいいと言われると正直へこみます。
ただ、自分にとって、資格をとって意味があったのは、履歴書に書けるようになったことではありません。
先ほども書きましたが、「自分はやろうと決めたことを必ず達成できる」という自信を得られたこと。それが何よりも大きいと思うのです。
自信というのは、人に対して誇るものではなく、次の行動に一歩踏み出すために自分を後押ししてくれるもの。
心から、そう思います。
そういった意味では、毎日の「今日はこんなことができた」「だから次も頑張ろう」、それを繰り返していくことでしか、自分を変えることはできないと思うのです。
英語学習を通して、前向きな精神を手に入れよう
自分のことばかり話し過ぎました。
英語を学習している方は、おのずと「今日はこんなことができた」、そのような機会を得ることが多く、それを一つずつ積み重ねていくことで、少しずつ自信を成長させていくことができる。
だから、前向きな方が多いのだと思います。
最初から「前向きになろう」と思って勉強を始めた人は多くはないと思いますが、英語を勉強することで、精神的にもポジティブになれる、強くなれると思ったら、毎日の勉強にも張り合いが出ませんか?
一つの頑張りが、次の頑張りへとつながる。
一つの小さな成功が、いつか大きな成功をもたらす。
頑張り方が分からなくて悶々としていた二十代の頃より、私は今の方がずっと楽しいです。
おわりに
余談ですが、今回のエピソードをもう一つだけ。
英語関連の方々にお会いする前に、この記事の下書きを書いていたのですが、何というか、自信満々で鼻もちならない記事になってしまっていました。
(今もそうだと言わないでくださいね。「自信は人に誇るためのものではなく、自分が次の行動に進むための原動力」、自分にも強く言い聞かせています)
ですが、今回皆さんにお会いして、自分の努力がまだまだ足りていないことを実感しました。
それは、誰々さんは自分より上位の資格を持っているとか、表面上のことではありません。
普段「自分は結構頑張っている」と思っていましたが、それは勘違いだと気づきました。
「私もあんなふうに頑張りたい」、そのような方が身近にいることをとても嬉しく思いますし、私自身も誰かにとってそのような存在になっていきたい、強くそう思いました。
今日はかなり精神的な話が多くなりました。
さぁ、目の前の試験に向けて、自分史上最高の頑張りを積み重ねたいと思います。