【ブックレビュー】英語パラグラフ・ライティング講座


”パラグラフ・ライティング” という言葉をご存知でしょうか? 1つのパラグラフには、1つのポイント、アイデア、または意見を述べるという決まりです。日本語でいう、”段落” とは違いますので、英語でまとまった文章を書く際には必ず知っておきたいルールです。

1文1文は文法的に正しいのに、なぜ伝わる文章が書けないのでしょうか。日本語で考えた文章をそのまま英語に訳しても、意図を伝えることは出来ません。英語で文章を書く際には、英語のルールに則って書くことが期待されます。英語圏で教育を受けた人は、小学校低学年の頃から、英作文の型を徹底して習っているそうです。英語パラグラフ・ライティング講座 では、作文を書き始める前段階として、情報の整理の仕方から始まり、構成の仕方、実際の書き方・テクニックを学ぶことが出来ます。では、この本の内容を順を追って紹介します。

準備編 パラグラフとは何か

準備編は、”パラグラフとは何か”という部分から始まります。パラグラフは、1つの内容を表すTopicがあり、Topic sentenceでmain idea を簡潔に表し、Detail sentencesでtopic をより具体的に説明・展開する一連の流れからなります。日本語では一つの段落の中に色々なアイデアが混在していても違和感はありませんが、英語のパラグラフでは、1つのパラグラフには1つのアイデア、というルールが徹底されています。また、意見を展開する順序も決まっています。

”1つのアイデア” の概念も、思っていたよりも随分厳しいものです。情報の整理ではまず、単語のグループ分けの練習から始めます。例えば、South America, Arctic, Middle East, North America, Eurasia, Africa, Antarctica, Southeast Asia を2つのグループに分ける演習問題を解きながら、厳密な言葉の分類法を学びます。

次に、主観/客観の分類法では、ニュースなどで得た情報と、自分の意見を混同せずに整理する方法を学びます。主観による文章と客観的な事実が書かれた文章を分類する演習問題を解くことで、この2つをしっかり区別することが出来るようになっています。

 

実践編 構成の仕方

実践編では、Topicの選び方、Topic sentenceで言うべきこと、Detailed sentencesの展開の仕方を学びます。Topicを選ぶ際には、なるべく焦点を絞り、パラグラフとしてまとまりやすいトピックを選ぶ練習をします。Topic sentenceでは、トピックの内容を的確・簡潔に総括している文章を書きます。このチャプターでは、いくつかの文章が挙げられ、どの文章がトピックセンテンスとしてふさわしいかと選ぶ練習をします。Detailed sentencesでは、さらに詳細にアイデアを説明していくのですが、パラグラフ内の文章がすべて連結していなければなりません。Detailed sentenceには、決まった順序があり、空間上の位置、時間の流れ、概要と詳細、重要度の4つに分けて文章を書く練習をします。

応用編 論理と技術

応用編では、いくつかのトピックについて、準備編・実践編で学んだことを踏まえながら、実際に自分で英作文を書きます。プレインイングリッシュ10カ条という、作者によるライティングルールも紹介されています。この本での演習を終えた後も、このルールを意識して英作文を書くとよいのではないかと思います。

 

感想

トピック→トピック・センテンス→サポートアイデア→結論、の順序を頭では分かっていても、実際に書くとなると、スムーズな流れで論理的な文章を書くのは難しいです。英検1級エッセイ準備のため、ネイティブ添削を受けた時によく注意されたのが、

・情報と自分の意見を混ぜて書かないこと

・Off topic! トピックとは関係ない事を書いている

・結論で新しい事を言わない

でした。そうは言われても、自分ではトピックに関連している事しか書いていないつもりでしたし、自分の意見を言って何が悪い、結論で解決策を提示するのが何でいけないの? と疑問に思っていました。”ニュースで知った情報と自分の意見が混じり合った文章を書いてはいけない”、と注意されても、なぜ自分の意見を言ってはならないのか、ということが分からなかったのですが、この本を読むことで、意見を言うことが悪いのではなく、自分で考えた意見なのか、どこかで得た情報なのかを区別せずに書いていた事を指摘されていたのだということに気付きました。ネイティブの”パラグラフ・ライティングルール”は、思っていたよりもずっと厳しいということがわかりました。

ネイティブ添削者の質も様々で、冠詞間違いや、ナチュラルでない表現を直すだけで、ライティングルールについては何も言わない人もいます。添削者自身がどの程度のライティング教育を受けたかによるのかもしれません。ネイティブチェックを受けたから大丈夫!と安心せず、パラグラフ・ライティングのルールについて学び、ある程度は英語ライティングの型に沿った書き方を自分で実践できるようにしたほうがよいのではないかと思います。

この本は、英語で1文1文を書ける段階の人が対象となっています。英文ライティングについて学ぶのは初めて、という方は、英語ライティング講座入門 で、まずは1文を書く練習からから始めるとよいのではないでしょうか。

 

 

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