先月から数回に渡り、単語学習に特化した記事を書かせていただいています。
自分が講師をしていること、そして自分が長年やってきた学習内容と合わせて、「単語学習ばかりをプッシュする」ことには、一種の葛藤がありました。
今回の記事では、その理由について、一度じっくりとお話しさせていただきたいと思います。
単語本の暗記に時間をかけ過ぎない
私が以前予備校で教えていた時、英語がすごく苦手な生徒さんの共通点が、単語本を開いて、それに出てくる単語を書いたり眺めたりして覚えようとしていることでした。
何から手をつけていいのか分からずに、「とにかく単語を覚えれば、文が読めるようになるのではないか」、そう思っていたのだと推測します。
もちろん、”すごく苦手”と限定したお話です。こちらにわざわざお越しくださる、志のある皆さんが学習していらっしゃることを、いきなり彼らのしていたことと同じと決めつけるようなことはしません。
ですが、誤解を恐れずに言えば、実際に単語本を利用していらっしゃる大人の学習者の方々の中にも、単語本での学習自体に時間をかけ過ぎているパターンが多く見受けられるのです。
一度、じっくりと考えてみてください。
「単語さえ覚えれば、自分のしたいこと(読む、書く、聞くなど)ができるようになる。」
そう思ったことはありませんか?
例えば、資格試験の勉強では、専用の単語本が数多く販売されています。
これらの単語さえ覚えれば、試験に合格できるものでしょうか?
その試験に必要な文法力・読解力・リスニング能力・・・等全てをバランスよく向上させてこそ、真に太刀打ちできる英語力が身につくのではないでしょうか。
「単語を覚えれば、全ての能力も自動的に上がってくる」という幻想を私は信じません。
そして、以前から書かせていただいているとおり、単語の習得は決して単語本だけでは完結しません。
単語本でチェックした単語に、実際読んでいる文章のなかで、生きた形で出会ってこそ、本当の意味で身についたと言えるものです。
(そういった理由からも、全ての分野をバランスよく勉強していくことをお勧めしています。)
例えば、一日の中でまとまって集中できる時間(貴重な時間)を、単語本単体での学習ばかりに使っている方がいるとしたら、本当にもったいないと思うのです。
「そんなことを言ったって、そんなふうに出会うことなんて、早々あるものではないし」
単語本の単語に出会うことが少ないということは、実際に生きた形で出会うこと(読解など)にかけている時間が少ないということを、皮肉にも証明していることにはなりませんか?
関連記事: 単語学習を楽しもう ~”1冊をじっくり”からの解放~
おわりに ~次回予告~
「単語本だけでなく、(単語に別の場所で出会えるように)他分野と並行して学習をすべきである」
これが私が英語学習者の皆さんに一番伝えたいことの中でも、最も重要な事項の一つでした。(それはこれからも決して変わりません)
講師として、そしてブログで英語学習について書く者として、単語ばかり学習している印象を与えることはしたくない。
それもあり、単語に関する記事が続くのを避けていた。そんな裏事情がありました。
ですが、実は今、私は(期間限定ではありますが)単語学習に特化しようとしています。
それに当たっては、講師として、そして今度は、国連英検特A級に挑戦する者として、責任を持って自分のすること、その意図についてお話しする義務があると感じています。
次回の記事では、「英単語の習得(ボキャビル)に力を入れるべき時」というテーマで、自分のこれからすることについてご説明させていただこうと思っています。
次回の記事もよろしくお願いいたします。
【予告】 ボキャビルに使っていく本はこちらです。
Basic Word List
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